診療のご案内

強皮症

どんな病気?

強皮症は、皮膚や内臓など、全身の硬化を主な症状とする原因不明の膠原病です。皮膚だけでなく、全身の組織の硬化を来すことで様々な症状を起こします。日本には2万人以上の患者様がいると確認されており、男女比は1:12で女性に多い疾患です。皮膚硬化が進むことで関節の動かしづらさや痛み、色素沈着が出現し、指先のけがが治りづらくなったり、寒い場所に行くと指先が真っ白に色調変化(レイノー症状)することがあります。消化管の硬化が進むと、飲み込みづらさや逆流性食道炎、下痢や便秘を起こし、心臓に影響が出ると不整脈や肺高血圧症といった症状を来します。肺が硬化することで間質性肺炎という免疫性の肺炎になることもあります。急激な高血圧や腎障害を来すこともあり、注意が必要です。

診断は?

国の難病に指定されており、厚生労働省や米国/欧州リウマチ学会が定めた診断基準に則って診断することが多いです。皮膚を始めとした全身臓器の硬化症状や、血液検査での全身性強皮症の方に多く見られる自己抗体の有無などを見て、総合的に判断します。

治療は?

現時点で根本的な治療方法は確立されていません。個々の病変を対症的に治療し、日常生活の質を高めることで生命予後を改善することを目標にします。降圧剤や胃薬、血流改善薬に加え、最近では抗線維化薬を使うこともあります。いわゆる免疫抑制剤を使うことはあまり多くありませんが、症状が急激に進む場合など、必要な際は免疫抑制剤の点滴や内服を行うことがあります。