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膠原病グループの診療内容

難治性のリウマチ性疾患に対して我々は豊富な治療経験を有しています。

リウマチ性疾患は関節痛、筋痛、発熱などの症状が現れます。我々の診療科では患者さん一人一人に正確な診断と最適な治療を行っています。

関節リウマチ

 関節リウマチはリウマチ性疾患の中でも最も代表的な疾患です。朝のこわばりや手指・手関節など全身の関節の疼痛と腫脹が出現します。現在の診断基準では少なくとも1個以上の関節が腫脹していることが前提です。しかし、早期では通常の診断基準を満たさない場合もあるので最近は関節エコーやMRIにより診断される例も増えてきています。また、リウマトイド因子や抗CCP抗体といった疾患特異的な抗体も参考になりますが、これらの抗体が陰性の場合もあるので注意が必要です。関節リウマチはただ痛いだけの病気ではなく、関節炎が続くと滑膜という関節を包んでいる組織が増殖し、骨の先端の軟骨を溶かしてしまい、さらに進行すると骨自体も破壊していきます。そのため放置すると短期間に関節の変形が進み、仕事や日常生活が困難になり、寝たきりになったり、関節の手術を繰り返すようになります。現在は治療法の変革により関節リウマチの予後は劇的に改善しています。関節リウマチの発症直後より積極的に治療することにより寛解というほぼ正常の状態に導き、長期間維持させることにより関節破壊の進行をかなり抑制することができるようになりました。この時に中心的な役割を果たすのがメトトレキサート(MTX)と生物学的製剤です。

全身性エリテマトーデス(SLE)

 SLEは代表的な膠原病の一つです。顔面に蝶が羽を広げたような紅斑が出現するのが特徴です。その他全身怠惰感、発熱、四肢の紅斑、関節痛、筋痛などの症状が出現します。血液検査で抗核抗体、抗dsDNA抗体など特異的な自己抗体が出現します。SLEで注意することは全身の臓器に合併症を起こしうることです。特に頻度が高く注意すべき合併症が、ループス腎炎と中枢神経ループスです。ループス腎炎は発症直後は全く無症状です。しかし放置するとネフローゼ症候群や慢性腎不全となり、人工透析が必要になる場合もありますので、早期発見のために毎回検尿で尿蛋白をチェックする必要があります。中枢神経ループスの症状は多様で重篤な神経症状を呈することがあります。ステロイドパルスというステロイドの大量点滴や大量内服を行うこともあります。最近はステロイドの作用を補助する目的でヒドロキシクロロキンや免疫抑制剤の内服や点滴を使用する頻度が増えました。また、生物学的製剤も保険適応となり、今後SLEの予後はさらに改善していくと考えています。