キャリアデザイン

はじめに

あなたはどのような医師を目指していますか?
10年後のあなたはどのような医師になっているでしょうか?

最高の医療を提供するには最高の医療チームが必要です。価値観は人それぞれですが、お互いの価値観を尊重し、周りの方々に優しく、協力していくことで、最高の医療チームはできあがります。私たちの仲間に加わり、協力して楽しく仕事をして下さる方に対して、私たちスタッフは、その方の夢(目標)を叶えるため、テーラーメイドのキャリアデザインを一緒に考え、その実現に向け全力でお手伝いいたします。

救命救急センター

鹿児島大学病院 救命救急センターは、集中治療部(ICU)、救命救急センターの大きく2つに分かれています。

集中治療部(ICU)

救命救急センター

2018年実績

集中治療部救命救急センター
専従医  9名  専従医 12名
ベット数 14床  ベット数 10床
看護師数 / 看護体制 45人 / 2対1  看護師数 / 看護体制 26人 / 4対1
年間入室数 1245名  救急患者数 2851名
人工呼吸器 使用症例数  563件  救急車受入台数  1610台
IABP症例数  29件  ドクターCar受入台数  66台
ECMO症例数  21件  ドクヘリ受入台数  41台
血液浄化療法症例数  1491件    

救命救急センターイメージ

救命救急センターイメージ

救命救急センターイメージ

救命救急センターイメージ

研修プログラム

研修プログラム

1.救急専門医・集中治療専門医・感染症専門医を目指すコース

このコースは、後期研究プログラムと同じです。後期研修の途中から入られる方はこのコースで研修を行います。最初の3年間で救急専門医を取得し、その後の1年で集中治療専門医・感染症専門医の取得を目指します。

※ 救急専門医1)・集中治療専門医2)・感染症専門医3)取得に必要な諸条件を文末に記載しましたので参考にして下さい。

研修プログラム内容

救急専門医を目指す(3年間コース)

  • 鹿児島大学病院救命救急センター、鹿児島市立病院救命救急センター、県立大島病院救命救急センターに専任として勤務し、救急・集中治療(小児集中治療、心エコー研修、感染症研修)、病院前診療(ドクターカー、ドクターヘリなど)、重症疾患の初期診療と治療、地域・離島医療を学ぶことができます。本人の希望で、一つの施設だけの研修でも、あるいは複数の施設の研修でも、自由に選択できます。
  • 並行して、BLS(一次救命処置)、ACLS・ICLS(二次救命処置)、JPTEC(外傷病院前救護)、JATEC(外傷初期診療)、DMAT(災害医療評価チーム)、FCCS(Fundamental critical care support)コース、CVC(エコーガイド下中心静穿刺)セミナー、ICD(インフェクションコントロールドクター)セミナーなどを受講し資格取得を目指します。
  • オプションとして「研究と学位取得」があります。

集中治療専門医・感染症専門医を目指す(1年間コース)

最初の3年間で救急専門医を取得し、その後の1年で集中治療専門医・感染症専門医の取得を目指します。すでに救急専門医もしくは麻酔専門医を取得している場合は、最初からこの1年間コースで、集中治療専門医・感染症専門医の取得を目指します。

  • 感染症に対する抗菌薬の選択、敗血症/敗血症性ショックに対する適切な対応ができる。
  • 重症患者の栄養管理が適切にできる。
  • 急性血液浄化療法(CHDF,PMX-DHP,PEなど)の導入、管理ができる(小児も含む)。
  • 急性循環不全症例に対して、肺動脈カテーテル挿入、フロートラックTM、オキシメトリーCVカテーテルTMなどの導入により、循環管理(肺血管外水分量など)の評価と治療方針の立案ができる。
  • 急性呼吸不全患者に対して、人工呼吸器を用いて適切な呼吸管理(NPPV,A/C,SIMV,PSV,APRVなど)ができる。
  • IABP(Intra-aortic balloon pumping),PCPS(Percutaneous cardiopulmonary support),ECMO(Extracorporeal membrane oxygenation)の導入と管理ができる。
  • 感染症専門医制度規則に基づいたカリキュラム研修を修了する。
  • 集中治療専門医・感染症専門医を取得するためには、学術発表、筆頭論文が必要です。
  • オプションとして「研究と学位取得」があります。

鹿児島大学病院救命救急センターは集中治療専門医研修施設であり、後期研修プログラムを終了した時点で、集中治療専門医研修施設での1年以上の勤務歴、12週間(3ヶ月)以上の専従歴を満たします。救急専門医取得後、集中治療専門医申請資格が得られることになります。
集中治療専門医申請資格には、学会発表以外に筆頭論文が必要です。研究担当スタッフを中心に、論文作成には最大限のサポートを致します。

2.特定の専門科に入る前に初期診療と全身管理を学ぶ(短期コース)

初期研修終了後で特定の専門科に入る前に、あるいは既に他科での修練を終了、または経験されている先生に対して、救急および重症患者の初期診療と全身管理を集中的に学ぶための短期コース(6ヶ月~2年)を用意しています。
救急医・集中治療医が扱う重症病態とは、概ね単一疾患ではなく、様々な専門科にまたがる疾患が複雑に関連しています。これを瞬時に理解し、順位を付けて的確な治療計画を立てること、刻々と変化する病態の情報を整理して計画を柔軟に変更していくことが要求されます。また診療においては、他との連携が不可欠であり、医療全般の構造や仕組みを理解することができます。
これから特定の専門医を目指している医師にとっても、救急医療・集中治療で養った初期診療や全身管理の能力は必ず大いに役立つと考えます。
研修期間は6ヶ月~2年であり、初期診療、全身管理、心エコー研修、感染症に対する抗菌薬の使用法などの研修が中心となります。

初期診療と全身管理を学ぶ

鹿児島大学救急ICU研修(小児集中治療、心エコー研修、感染症研修も含む)

  • 大動脈解離や心筋炎、劇症肝炎、急性膵炎などの三次救急の研修
  • 重症患者(ショック、急性循環不全、急性呼吸不全(ARDSなど)、重症敗血症/敗血症性ショック、周術期管理など)の病態評価と、治療方針の立案
  • カンファレンスでの担当患者のプレゼンテーションと指導医による教育・フィードバック、各科専門医との密接な連携による併診体制(セミクローズドICU)
  • 感染症研修:感染症チーム(ICT)での研修
  • 心エコー研修:心臓血管内科指導による心臓エコー外来での研修
  • 救急・ICUに関する最新知識のレクチャー

※ 救急専門医1)・集中治療専門医2)・感染症専門医3)取得に必要な諸条件を文末に記載しましたので参考にして下さい。

3.他科で修練を終了後、救急専門医・集中治療専門医・感染症専門医を目指すコース

既に他科での修練を終了、または臨床経験のある方で、救急医療、集中治療に興味のある先生方を対象に、救急専門医・集中治療専門医・感染症専門医を目指すコースを準備しました。これからご自分の専門性を生かしてさらにスキルアップを目指す先生方に対して、できるだけのお手伝いを致します。多種多様なご要望にお答えできるように、個人個人のご希望にあった、そして満足できるようなテーラーメイドのキャリアコースをご用意致します。救急医療、重症患者管理に興味のある先生方の夢を叶えるお手伝いができると思いますので、是非ともお気軽にご相談ください。

これまでの実績 呼吸器内科、麻酔科、小児科、歯科

※ 救急専門医1)・集中治療専門医2)・感染症専門医3)取得に必要な諸条件を文末に記載しましたので参考にして下さい。

4.研究と学位取得を目指すコース(他のコースと重複できます)

鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 生体機能制御学講座 救急・集中治療医学分野では、学位取得を目指した研究活動を推奨しています。それは多くの医師に「ロジカルなものの考え方」を学んでほしいと思うからです。臨床の現場では、ガイドライン通りに治療してもうまくいかない症例が数多くあります。その理由は、同じ疾患でも、個々の症例で背景因子や病態が異なるためです。このような場合でも、ガイドラインを鵜呑みにするのではなく、患者の病態をしっかりと把握し、個々の症例に応じて治療戦略を立てていくことが必要です。時にはガイドラインの推奨を却下した治療戦略を立てなければならないこともあります。ロジカルなものの考え方と臨機応変な対応能力を身に付けるために、「研究」を行うことが非常に重要です。
 
我々は、基礎と臨床の連携がこれからの救急医療・集中治療医学の発展に極めて大切であると考えています。そのため、鹿児島大学救急・集中治療医学分野は、基礎と臨床のコラボレーションを積極的に推し進めていきます。あなたも、その仲間に入り、だれも踏み入れたことのない最先端の研究の世界へ、そして、その中でワクワクするような体験をしてみませんか。絶対に後悔はさせません。

研究と学位取得を目指すコース

「救急医療や集中治療の現場は大変なので、家庭との両立が無理なのでは?

と聞かれることがありますし、そのように考えている方も多いと聞いています。我々は、医師のみなさんが満足しながら、楽しく仕事ができる環境を提供したいと考えています。医師のみなさんの夢の実現のために、最大限のお手伝いをさせて頂きますので、是非とも一度相談に来てください。相談後は、当科で安心して仕事ができると必ず確信して頂けるはずです。
それぞれの夢の実現に向かって一緒に頑張っていきましょう。

<参考資料>

1)救急専門医取得に必要な条件

日本救急医学会専門医制度 第8章第14条

専門医になろうとする者は、次の各項に定める資格をすべて備えていなければならない。

  1. 日本国の医師免許を有すること。
  2. 申請時において、継続して3年以上本学会の会員であること。
  3. 5年以上の臨床経験を有すること。
  4. 専門医指定施設またはこれに準じる救急医療施設において、救急部門の専従医として3年以上の臨床修練を行った者であること。または、それと同等の学識、技術を習得した者であること。

※ 救急専門医指定施設:鹿児島大学病院救命救急センター、鹿児島市立病院救命救急センター、鹿児島県立大島病院救命救急センター

2)集中治療専門医取得に必要な条件

集中治療専門医制度規則 第4章

集中治療専門医認定申請の資格 第7条

集中治療専門医の認定を得ようとするものは、次の各項に定める資格をすべて具備していなければならない。

  1. 医師免許証取得後5年以上の臨床経験者で、集中治療に関して深い知識と経験を有すること。
  2. 申請時に日本集中治療医学会会員であること。
  3. 認定された集中治療専門医研修医施設あるいはそれに準ずる施設において、細則に定める期間の集中治療勤務歴を有すること。

(細則)集中治療専門医認定申請資格の基準

集中治療専門医の認定を得ようとする者は規則(上記)に定める以外に、次の項目のすべてを満たしていなければならない。

  1. 指定する学会(別表1)の専門医資格を有すること。
  2. 日本集中医療医学会の認定する集中治療専門医研修施設において1年以上の勤務歴*があること。
  3. 上記勤務歴のうち連続して12週間以上専従歴*があること。
  4. 所定の知識・技能研修終了の条件を満たしていること。(別表:診療実績表について参照)

(別表1)日本集中治療医学会が指定する学会

①日本麻酔科学会、②日本救急医学会、③日本外科学会、④日本心臓血管外科学会、⑤日本呼吸器外科学会、⑥日本小児外科学会、⑦日本消化器外科学会、⑧日本内科学会、⑨日本循環器学会、⑩日本脳神経外科学会、⑪日本小児科学会。⑫日本呼吸器学会、⑬その他、専門医制度・審査委員会および理事会が認めるもの

※ 集中治療専門医研修施設:鹿児島大学病院救命救急センター

新旧制度における専門医申請における規則、細則上の比較表

  ポイント 旧制度ポイント 新制度
専門医制度規則学会員歴 申請時に学会員であること 申請時に学会員であること
専門医制度
施行規則
申請書必要書類(手技) 必要なし 診療実績表A(必要な実施項目)が必要
申請書必要書類(経験) 必要なし 診療実績表B(経験必須な疾患)が必要
集中治療専門医
認定申請資格の基準
通算5年以上の専従歴→通算3年以上の勤務歴、うち連続12週以上の専従 甲乙丙の区別は無くなった。集中治療専門医制度施行細則に記載された勤務歴/専門医資格を有すること。(勤務歴の定義は申請書に記載されている)
細則別表1-1に定める専門医資格を有し、通算2年以上の勤務歴を有すること
細則別表1-2に定める専門医資格を有し、通算3年以上の勤務歴を有すること
申請料 (同右、新制度と同じく扱う) 集中治療専門医認定に関する書類審査料 10,000円(税別) 
集中治療専門医認定に関する試験審査料 30,000円(税別)
集中治療専門医認定証書 登録料     20,000円(税別)
学術論文(最近5年間) 中治療に関する論文であること。申請者が筆頭者であるもの(原著、総説あるいは症例報告、短報)を1編以上含めて、主な論文3編以上を記載する。なお、記載論文のうち主な3編については別冊を添付すること。 集中治療に関する論文(原著、総説あるいは症例報告、短報、著書)であること。申請者が筆頭者であるものを1編以上含めて、主な論文2編以上を記載する。なお、記載論文のうち主な2編については別刷を添付すること。なお、発行前でも採択通知があれば可とする。
学会発表(最近5年間) 集中治療に関する内容であり、申請者が筆頭者として発表したもの3題以上を記載する。なお、そのうち1題は日本集中治療医学会学術集会において発表したものとする。学術集会発表証明は学術集会抄録をもって行う。 集中治療に関する内容であり、申請者が筆頭者として発表したもの1題を含む2題以上を記載する。なお、そのうち1題以上は日本集中治療医学会学術集会において発表したものとする。学術集会発表証明は学術集会抄録をもって行う。
学術集会出席
(最近5年間)
日本集中治療医学会学術集会2回以上と地方会2回以上の出席が必要である。また、学術集会出席証明は出席証明書をもって行う。 日本集中治療医学会学術集会2回以上の出席が必要である。学術集会出席証明は出席証明書(電子証明書を含む)をもって行う。

受験資格にお関しては不明点がある場合は、学会事務局に直接連絡していただきたい。

3)感染症専門医取得に必要な条件

感染症専門医認定申請の資格

専門医の認定を申請できる者は次の各項を満たす者とする。

  1. 基本領域学会専門医(認定医)に認定されている者。
  2. 感染症の臨床修練を積んでいること。
    1)基本領域学会の研修年限を含めて感染症学の研修を6年以上行っている者。
    2)上記6年の内、3年間は本学会会員として本会が指定した研修施設で、別に定めるカリキュラムに基づいて研修を行っていることを原則とする。尚、研修施設、指導医については別に定める。
  3. 感染症の臨床に関して、筆頭者としての論文発表1篇、学会発表2篇、計3篇あること。尚、学会、雑誌の種類に関しては細則2に定める。
  4. 日本感染症学会会員歴5年以上で、この間、会費を完納している者。
  5. 審議会が施行する専門医のための認定試験に合格すること。

スタッフステーション

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