MRSAの研究に関するお知らせ
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin Resistant Staphylococcus aureus:MRSA)に対する銀イオン・オゾン殺菌併用超音波洗浄器の減菌効果の検討
MRSAは院内感染の原因菌として最も重要な細菌であり、皮膚や創面にバイオフィルムという菌のかたまりを形成し強固に付着するため、抗菌薬が到達しにくく、その治療に難渋することがあります。本研究は、臨床で検出されたMRSAを用いて、新しく開発された「銀イオン・オゾン殺菌併用超音波洗浄器」の治療効果を検討し、今後のMRSA感染症の予防と治療に役立てることを目的とします。
鹿児島大学病院検査部で検出・分離されたMRSAを用いて、銀イオン・オゾン殺菌併用超音波洗浄器の効果を調べます。コラーゲン膜やマウスの皮膚潰瘍に一定量のMRSAを定着させ、銀イオン・オゾン殺菌併用超音波洗浄器で処理を行い、減菌効果を検討します。効果は、処理前後の菌数の変化や蛍光顕微鏡による生菌と死菌の観察によって行います。使用するMRSAは、遺伝子型別とバイオフィルム形成能をもとに選択します。遺伝子型別は、菌のDNAを抽出しPCR法またはシークエンス法で決定します。バイオフィルム形成能は、マイクロタイタープレートを用いた定量的バイオフィルムアッセイによって測定します。検出日、病棟、診療科、検出部位、提出検体の塗抹染色状況など個人情報を除く検査情報について、匿名化した上で、検査室から提供を受けます。