研究内容 「Project1 癌遺伝子・ウイルス治療の研究」(がん基礎研究と独自のベクター開発から、医師主導治験による実用化へ)の情報をアップデートしました。
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腫瘍溶解性ウイルス(OV)治療は、革新的がん治療薬として世界的に開発が期待されていますが、承認薬は未だ世界でも一例というように、全てに極めて高い高度専門性が要求される最先端医療技術です。研究代表者(小戝)は従来のOVの性能を凌ぐ「多因子によるがん特異的増殖制御型アデノウイルス(m-CRA)」作製法を独自開発し、医薬実用化の開発研究まで自身等で進めてきました。第一弾のSurvivin反応生m-CRA(Surv.m-CRA-1)は、競合技術の性能を凌ぎ、従来技術が無効のがん幹細胞まで効果的に治療可能などの革新的治療作用を持つことを、基礎研究で示しました。種々の大型競争的研究に採択され、グローバル基準での非臨床開発(GMP製造、GLP非臨床試験、規制対応)も進めてきました。本学で実施したFirst-In-Human(患者さんへ世界初の投与)の医師主導治験第Ⅰ相を令和2年度に終了し、高い安全性と有望な有効性のデータも得られています。令和3年度AMED革新がん事業に新規採択され、「世界初の骨腫瘍での承認を目指した本邦発OVの医師主導治験第Ⅱ相」を開始しました。また膵がんへの医師主導治験第Ⅰ/Ⅱ相も、AMED橋渡し事業シーズCで実施中です。転移がんを効果的に治療する第二弾のSurv.m-CRA-2も、非臨床開発中です。さらに革新的ながん免疫治療となる、複数の「次世代m-CRA」の基礎研究開発も進めています。「世界初の革新的な医薬開発・実用化」を目指す本プロジェクトは、多くの競争的大型研究費の取得実績のように、極めて高い学術的・社会的な意義・価値が認められています。これらの成果は、本学発の先端医療シーズを実用化まで切れ目なく開発支援する「南九州先端医療開発センター」の整備にも、貢献しています。
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研究内容の詳細はURL:https://www.kufm.kagoshima-u.ac.jp/~anatomy2/research.htmlをご覧ください。