教授着任のご挨拶
2015年11月から当講座の教授として着任いたしました。私は、1988年に鹿児島大学を卒業し、旧第二内科に入局、血液内科医として研修を行いました。2001年からは福岡大学に移り、 血液内科に加え臨床腫瘍医としての研鑽を積みました。研究面では、鹿児島大学時代から一貫して、西南日本、特に鹿児島・長崎・沖縄 に多発する成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)に対する治療成績改善のための研究に取り組んできました。
当科は、診療面では鹿児島県の血液・自己免疫疾患全般の診療体制の構築・維持と診療レベルの向上に対し責任を持って前進したいと思います 。新しい治療が次々と導入され、患者さんにも専門医志向が高まる中で、過疎化と高齢化の進む鹿児島の診療をどう守っていくかは社会的な命題 でもあり、私どもの力だけ解決できることではありません。県内の医療機関の先生方やコメディカルスタッフとの連携を通して少しでも明るい方向 に進んでいきたいと思います。私どもにできることは、大学の責務として若い専門医の育成に全力を尽くすことです。そして、血液内科、膠原病内科領域 の病気でお困りの鹿児島県内の患者さん方から「一番に選ばれる診療科」になることを目標に、医局員一同邁進したいと思います。
研究面では、特に私のライフワークであるATLの治療成績改善に向けた臨床に直結した仕事にこれまで以上に力を入れたいと思います。また、 膠原病領域においては血液内科とチームを組める利点を生かした新たな研究を進めていきたいと考えています。県内の血液内科医、膠原病内科医が一 丸となって取り組むことができる日常診療に根ざした研究も鹿児島だからこそ実施可能な大切な課題であろうと思います。臨床の教室でしかできない 研究こそが、最も大切にしたいことです。
さて、このホームページを見てくれた学生さん、初期研修医のみなさん、ぜひ鹿児島大学で、そして私たちと一緒に皆さんの夢を叶えてください。 血液疾患も自己免疫疾患もともに全身性疾患です。他の診療科と協同して患者さんの診療にあたるなかで、専門性を高めながら、患者さんの社会 的な背景も考えた全人的な医療のできる医師に育っていただけると確信しています。そして、日本内科学会内科専門医の取得をベースにして、サブス ペシャリティとして日本血液学会専門医か日本リウマチ学会専門医のいずれかの取得を目指してください。これは今のところはまだ私の願望ですが、 もし余裕があったら鹿児島で全く充足していない日本臨床腫瘍学会「がん薬物療法専門医」にも挑戦してほしいと思っています。私は、若い皆さんが 所属する場所は皆さん自身の夢を実現するために最大限に「利用」する場であると考えています。医局あるいは講座に「奉職」する必要はありません 。一定の秩序は必要ですが、互いのrespectの中で私たちを思い切り「利用して」伸びて行って欲しいのです。皆さんが伸びてくれれば、私たちも進 化することができます。そうです、Win-Winの関係になれるのです。いつでも私たちの門をたたいてください。待っています。