お知らせ

 このたび、当講座(鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 脳神経内科・老年病学)の研究グループ(樋口雄二郎准教授、髙嶋 博教授ら)は、FAT3遺伝子の変異が原因となる新たな神経疾患を明らかにし、その成果が国際学術誌「Genetics in Medicine」にオンライン掲載されました。
 本研究では、日本人の遺伝性末梢神経障害患者コホートを対象とした遺伝子解析により、FAT3遺伝子の両アレル性変異を有する患者を同定しました。これらの患者では、進行性の手足の筋力低下や感覚障害(軸索型ニューロパチー)に加え、舌萎縮や構音障害などの脳神経症状、さらに脊柱側弯や偽性腸閉塞といった多系統にわたる症状が認められました。
 さらに、ショウジョウバエおよびマウスモデルを用いた機能解析により、FAT3が神経の構造維持や軸索形成に不可欠な役割を担うことを明らかにしました。

 これらの知見に基づき、本研究では「FAT3関連多系統神経発達異常症(FAT3-related multisystem neurodevelopmental disorder)」という新たな疾患概念を提唱しました(図)。
本成果は、遺伝性ニューロパチーの診断体系の拡張に寄与するとともに、今後の病態解明および治療法開発への発展が期待されます。

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掲載情報(Open Access)
Higuchi Y, et al.
Biallelic variants in FAT3 cause axonal neuropathy with multisystem neurodevelopmental features
(Genetics in Medicine, 2026, online ahead of print)
https://doi.org/10.1016/j.gim.2026.102570

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