免疫性神経疾患における眼球運動障害としては、多発性硬化症でみられるMLF症候群がよく知られています。一方で、PPRF(傍正中橋網様体)症候群も重要な病態の一つです。
MLF症候群では障害側眼の内転障害を認めるのに対し、PPRF症候群では障害側への共同側方注視障害を呈し、例えば右PPRFが障害されると、両眼とも右を向くことができなくなります。
PPRF症候群は通常、MLF症候群を伴ってone-and-a-half症候群としてみられることが多いですが、今回私たちは、MLF症候群を伴わないPPRF単独障害を呈した症例を経験しました。患者さんは**AQP4抗体陽性の視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)**と診断され、免疫療法により症状は後遺症なく改善しました。
私たちが検索し得た限り、NMOSDにおける単独PPRF症候群の報告は初めてです。本症例は、稀な眼球運動障害であってもNMOSDを鑑別に挙げ、適切な治療介入につなげることの重要性を示すものと考えられます。
Terahara, Manami., Hobara, T., Higuchi, Y. et al.
Isolated Paramedian Pontine Reticular Formation (PPRF) syndrome in AQP4 antibody–positive neuromyelitis optica spectrum disorder: a case report. BMC Neurol 26, 132 (2026).
https://doi.org/10.1186/s12883-026-04670-6







