お知らせ

HTLV-1関連脊髄症は、中枢神経の慢性炎症により引き起こされる疾患です。

慢性炎症には、HTLV-1特異的細胞障害性T細胞(CTL)の関与が報告されていますが、髄液中のHTLV-1特異的CTLのダイナミクスについての十分な解析はされていません。

今回、HTLV-1関連脊髄症患者の髄液中のHTLV-1特異的CTLについて解析し、中枢神経での炎症や神経損傷に影響しているかを評価しました。

結果、HTLV-1関連脊髄症患者では、末梢血と比較して髄液中ではHTLV-1特異的CTLの頻度が増加し、かつキャリアと比較しても有意に高いことがわかりました。また、髄液中のHTLV-1特異的CTLの頻度は、患者のサイトカインレベルと相関しました。髄液中のNfLは、キャリアよりHAM患者で高く、プロウイルス量と相関しました。

以上の結果から、HTLV-1関連脊髄症患者の髄液中には、HTLV-1特異的CTLが集積し、感染細胞との相互作用によって起きる慢性炎症が中枢神経障害に関与する可能性が示唆されました。

上記は、Neurology Neuroimmunology&Neuroinflammationに掲載されました。詳細は以下よりご確認ください。

Satoshi Nozuma, et al.  

HTLV-1–Specific CTL Accumulation in CSF Contributes to Neuroinflammation in HTLV-1–Associated Myelopathy

https://doi.org/10.1212/NXI.0000000000200508

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