当科講師﨑山佑介君が、10月1日付けで、鹿児島大学医学部保健学科 理学療法学専攻 基礎理学療法学講座の教授に就任となりました。このポジションは、前任の岡本裕嗣教授の後任に当たります。
﨑山氏は、平成14年3月に鹿児島大学医学部を卒業し、同4月鹿児島大学第三内科(現:脳神経内科・老年病学講座)に入局し、神経内科学を専攻しました。平成15年から今給黎総合病院、沖縄県立中部病院など、第一線の病院で勤務しながら臨床経験を積んでいます。平成16年10月から国立療養所沖縄病院において、筋ジストロフィー病棟や神経難病などの診療も経験しています。平成20年、神経内科専門医を取得、平成21年に鹿児島大学大学院(博士課程)に入学し、鹿児島大学での研究者としてのキャリアが始まりました。﨑山君は、それまで全く原因の知られていない前屈みの姿勢異常を呈する傍脊柱筋萎縮の姉妹例において、原因探求に挑戦し、その筋病理所見と分子遺伝学的検討を粘り強く行うことで、新しいミトコンドリア病として新規遺伝子を原因として特定しました。この研究成果は、Acta Neuropathologica誌(IF 9.3)に掲載され、学位論文となりました。それ以降、遺伝子解析を中心に、様々な神経難病に挑むこととなります。特筆すべき業績としては、鹿児島の地域に住む認知症患者を原因不明の疾患を、本邦でもあまり行われていないメタゲノム解析という遺伝子配列データから起因菌を割り出す手法を完成させ、それを用いることで世界最初の古細菌による感染症の発見につながりました。この業績は、Neurology® Neuroimmunology & Neuroinflammation(IF 8.3)に掲載され、大きなニュースとなりました。その後、神経感染症のメタゲノム解析で、全国的に活躍しています。
神経内科領域で幅広く活躍する﨑山氏が、基礎理学療法学の世界にて素晴らしい研究と人材育成を行うことを期待しております。