お知らせ

LRP12遺伝子のCGGリピートは2019年に眼咽頭遠位型ミオパチー (OPDM)の原因として報告されました.2023年には筋萎縮性側索硬化症の原因ともなりうることが報告されています.

当研究室では遺伝性ニューロパチー, Charcot-Marie-Tooth病について遺伝子解析を継続して行っています.大学院生である穂原医師, 児島医師, 野口医師は遺伝性ニューロパチーとOPDM関連遺伝子について研究を行いました.

その結果, 穂原医師が2424名の遺伝性ニューロパチー症例の中で, 44名にLRP12遺伝子のCGGリピートを同定しました.この結果はLRP12遺伝子のリピートが遺伝性ニューロパチーの4番目に多い原因遺伝子であることを示しました.さらに様々な側面から解析を行い, 遺伝性ニューロパチー群 (LRP12-IPN)は眼咽頭遠位型ミオパチー群 (LRP12-OPDM)と比較してリピート数が小さいことや, LRP12-IPNの臨床的特徴, LRP12-IPNとLRP12-OPDMの病理学的特徴を明らかにし, Journal of Neurology, Neurosurgery,and Psychiatry (JNNP)に掲載しました.

→ Linking LRP12 CGG repeat expansion to inherited peripheral neuropathy.
Hobara T, Ando M, Higuchi Y, Yuan JH, Yoshimura A, Kojima F, Noguchi Y, Takei J, Hiramatsu Y, Nozuma S, Nakamura T, Adachi T, Toyooka K, Yamashita T, Sakiyama Y, Hashiguchi A, Matsuura E, Okamoto Y, Takashima H.
https://jnnp.bmj.com/content/early/2024/07/03/jnnp-2024-333403.long
↑ open access

今回の発見は今後の遺伝性ニューロパチーの遺伝子解析においてブレークスルーになるものと思われます.今後もLRP12-IPNの研究を続け, その病態機序や治療法開発など進めていきたいと考えています.

 

なお本研究の成果が南日本新聞にも掲載されました.スクリーンショット 2024 07 29 11.52.00

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