鹿児島大学神経内科・老年病学講座では、当科教授の高嶋が中心となり、厚生労働省科学研究難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究事業(難病関係研究分野)により、遺伝性ニューロパチーの遺伝子解析の研究を続けている。
本研究では、CMT病、遺伝性運動性ニューロパチー、遺伝性感覚・自律神経性ニューロパチーの詳細な遺伝子検査を行うため、包括的な遺伝子診断システム構築した。具体的には次世代シークエンサー(Illumina社、MiSeq)を利用し、多数の遺伝子を安価で梗塞に診断出来るシステムを開発した。
今回は、中国から留学中の神経内科医で、鹿児島大学大学院在学の袁軍輝が中心となり遺伝性感覚・自律神経性ニューロパチーの診断システムを開発し、今回の発見につながった。袁らの報告は、SCN9Aというナトリウムチャンネルの異常が、感覚神経、自律神経、嗅覚など様々な異常を呈することを報告したもので、疾患の分類として、HSAN2D型に分類されるべきということを提唱し、アメリカ神経学会雑誌(Neurology誌)に掲載された。今回の発見で、新しい末梢神経のメカニズムが明らかとなり、疾患の理解が進むものと期待される。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23596073
Neurology. 2013 Apr 30;80(18):1641-9.
Hereditary sensory and autonomic neuropathy type IID caused by an SCN9Amutation.
Yuan J, Matsuura E, Higuchi Y, Hashiguchi A, Nakamura T, Nozuma S, SakiyamaY, Yoshimura A, Izumo S, Takashima H.