アドバンスコース第2期生 学内演習

『その人らしさを支えるための臨床倫理と援助関係』

日時:平成28年10月14日(金) 13:20~18:00
場所:桜ケ丘共通教育棟 502号室

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プレステップ実習に向けて、学内演習「その人らしさを支えるための臨床倫理・援助関係」を実施しました。
実務研修プレステップでは、訪問看護師のシャドーイングにより在宅看護過程を展開できるための基礎的な‘あたまづくり’をします。
そのために、学内演習で堤教授による講義・演習を通して対象の捉え方、関わり方を学びました。

【目的】

自身が日常において無意識のうちに行っている判断の仕方について洞察し、対象の自立を保証する倫理的な看護実践能力を高める。

【目標】

  1. 日常的場面における倫理的問題への対応の仕方を自己洞察できる。
  2. 臨床倫理の観点から事例を検討できる。
  3. 事例における倫理的問題を言語化できる。
  4. 事例の倫理的問題を解決するための具体的援助を導きだすことができる。
  5. 対象の自律を保証する援助関係について理解を深め、実践に活用できる。

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また、今回、在宅ケア移行支援研究所 宇都宮宏子先生が参加してくださいました。
臨床倫理原則に基づく事例検討のグループワークの中では、「人生の分岐点を時間軸で振り返ることで、対象の人生をイメージすることができる。
その中に、意思決定支援に大切な分岐点がある。」など可視化する方法として時間軸について講義していただきました。
さらに、在宅看護についての匠の技もお話ししてくださり、さらに学びを深めることができました。

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  • 本人が自分のことを考え判断できるような意思決定支援ができるといいなと思う。そのためには、対象を支えている家族の考えなども理解し、本人の思いが支えられるような家族への提案・支援が必要だと思う。
  • プロセスレコードを行うことで、言っていることが全てではなく、その思いの背景も考える必要があると感じた。
  • 自分を客観的に見つめなおすのは難しいと感じた。
  • 初期の出会いの位相が大切であり、信頼関係を築くためには、一言一言を大切に語る必要がある。
  • 演習の中で、看護師自身の中にも「この療養者は自宅で過ごしたいだろうな・・・。」という思いがあったため、入院の提案は初めの一言のみで、その後は頷きや患者の言葉の反復等が多かった。その分、入院の必要性をあまり感じなかった。→本人の意志を尊重したいという自律尊重の原則に沿った関わりがメインとなっていた。治療面について善行、無危害の原則に沿って、情報提供(入院以外の提案)も必要だった。
  • その人の生きてきた歴史・価値観を知らなければ本当の意味での対人援助は難しい。
  • 看護師としては、いま目に見えている生活の不便さにTさんが自ら気づいてもらうことで、Tさんが納得して一度入院しようという気持ちになれるよう働きかけていたつもりが、Tさんからしたら、なんでこんなこと(食事・住環境・家族のこと)を聞くのだろうと思いだった。医療者からみて、問題だと思うことを問題としてとらえていなかった。(医療者が有益だと思っている情報や物事が知らないことから起こる)
  • 「入院は絶対嫌」というTさんに対して、看護師は信頼関係がきちんと成り立っていない今の段階で入院についての話をすすめることで、信頼関係がくずれてしまうのではないか、壁をつくってしまうのではないか、という思い、戸惑いも感じた。観察者からしたら「なぜ、嫌だと思うのか」ストレートに思いを聞いてみてもよいのではないかと思った。
  • Tさんは、本当はNsともFaとも核心に触れて話をしたい。その準備・覚悟もできていた。でも、超自我で規制がかかって他者に素直な気持ちが言えない状況だった。看護師は、「家がいい」という本音をたくさん代弁してくれた。病名・予後は言えないけど、本人が思いを語れるように主権を本人に返す必要がある。わかってくれる人が1人いる→味方=心の支え=力となる。

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