研修を終えて

今回の研修で対人援助や家族看護を学び、終末期の家族の意向を引き出すことの大切さやその後も遺族へ関わること、グリーケアの大切さをこの症例から改めて理解しましたので、紹介します。

癌終末期の患者様のお宅へ訪問診療に同行した熟練の看護師より「医師より、家族と過ごす時間はあまり長くないとの事です。」との報告を受ける。と同時に、島外へ療養に出た奥様と看病をしている息子さんの意向や、訪問の都度ご本人がお話ししていた会話を思いだす。「看護師さん、患者さんが希望を持てるような言葉をかけてください。」「亡くなる前には、話が出来る状態で、母の病状に負担にならないように逢わせてあげたい・・・」また、患者様も、「このまま妻に会えずに逝くのは辛い、一目でも会いたい・・・」

亡くなる前の数日であることを、医師は伝えているつもりが伝わらず、受け手は少しでも長く生きていてほしいという希望からなのか、医師のその期間よりも長く捉えている事が多く、最後の時間を一緒に過ごせなかった方もいることをご家族へお伝えした。息子さんは、大変なスケジュールを調整し、23日後に奥様と帰島。患者様は、一晩家族と一緒に過ごし、翌朝、家族や親戚に囲まれ自宅で息を引き取った。そのきれいな表情に奥様も安心された様子で半年後、ご自宅で元気に生活されている奥様にお会いする事が出来た。

長期在宅療養をされているご家族の健康管理も今後の課題かと考え、残り1年わずかの研修となりましたが、一期生の皆さまと共に学びを深めたいと思います。講師の先生方、今後もご指導よろしくお願いいたします。

アドバンスコース第1期生 新村 百合子

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