鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 神経病学講座 脳神経外科

医学生・研修医の方へ for medical intern

先輩の声 voice

interview 花田 朋子 Assistant professor

出身大学
鹿児島大学
入局年
2007年
  • 日本脳神経外科学会専門医
  • 日本脳卒中学会専門医
  • 機能的定位脳手術技術認定医
  • 日本頭痛学会専門医

入局した理由

私が脳外科に興味を持ったきっかけは(月並みですが)、学生時代に見学した三叉神経痛の手術でした。顕微鏡を通して見せていただいた整然と並ぶ神経がきれいで、初期研修で学んだ病変への立体的なアプローチにさらに興味が増し、それなりに迷った末に入局して、10年以上が経ちました。

現在私は、機能的脳神経外科をサブスペシャリティとして診療にあたっています。機能外科は画像上明らかな脳の構造的異常ではなく、神経の機能的異常をターゲットに手術適応を考えます。画像診断や神経生理学検査はもちろん重要ですが、機能外科の守備範囲の疾患は、画像上の異常がないことも多く、患者さんの症候という基本的なことがとても大事で、奥が深い分野です。脳神経外科はneurosurgeryの名の通り、神経一般を扱う外科で基本診療科です。神経系、あるいは外科系に興味があれば、興味に合わせた様々な専門の道が開ける可能性も魅力のひとつだと思います。

入局して感じたこと

鹿児島大学脳神経外科では、腫瘍、血管障害(直達術、血管内治療)、機能的脳神経外科(てんかん、不随意運動)、脊髄、脊椎疾患、小児先天性疾患と幅広く学べるのも教室の特徴です。病院の方針として、救急にも力を入れているので、脳卒中、外傷含めた救急疾患にも特に制限なく対応しています。

脳外科を選んで、女性でよかったと思ったことは全くないですし、自分が男性だったらよかったのにと思ったこともほとんどないです。腕が短かったり、手が小さかったりという特徴を指摘され、もっとこうすれば楽に、良い手術ができると、周囲に助けてもらったことはたくさんあります。きついときに代わってもらったことももちろんありますし、その逆もあります。

入局を考えている人にメッセージ

男女問わず、自分がどうしたいか、よく考えて、自分がやれること、やるべきことをやっていればしっかりサポートしてもらえる教室だと思います。そして、個人的にはその人の特性を生かしてサポートできるような人間になりたいと思っています。興味がある方、(少し迷っている方も)一緒に働けたらと思いますので、見学をお待ちしています。

interview 比嘉 那優大 Medical staff

出身大学
鹿児島大学
入局年
2011年
  • 日本脳神経外科学会専門医

入局した理由

私が脳神経外科を目指したきっかけは、学生時代から神経系に興味があり、人間で一番重要な脳という臓器を手術して命を助けるという仕事に非常にやりがいを感じたからです。鹿児島大学脳神経外科は全国有数の手術症例数を誇っています。鹿児島全体で若い脳神経外科医を育てようという気風があり、入局間もない頃から非常に多くの手術を経験できます。また、学会発表や論文執筆の機会も十分に与えられ、若いうちから国際学会での学術発表の機会にも恵まれています。実際、豊富な症例数のおかげで非常に充実した脳神経外科ライフを送っています。

入局して感じたこと

大学院では基礎研究を行い、今までとは異なった視点から臨床を見つめ直すこともでき、より脳神経外科医としての幅が広がったと実感しています。現在は、主に悪性脳腫瘍、小児脳脊髄疾患の診療に従事し、日々研鑽を積む毎日です。脳神経外科は忙しいですが先生方は皆、脳神経外科の仕事に熱意と誇りを持って活き活きと働いています。

入局を考えている人にメッセージ

平成30年4月から吉本幸司教授が就任され、新体制のもと雰囲気も非常に良く、更なる発展を目指して一致団結しているところです。私たちは共にやりがいのある仕事をするために仲間を求めています。一緒に働ける日を心待ちにしています。

interview 田上 なつ子 2016年 入局

脳神経外科の後期研修中の田上なつ子です。

2014年度から初期研修をスタートし2016年度から鹿児島大学脳神経外科に入局しました。初期研修を終える中でカテーテル治療に興味を持ちました。他のカテーテル治療を行う診療科とも迷いましたが、結果的に脳神経外科を選びました。入局した当初は開頭術にあまり興味はなく、できれば手術にあまり携わることなく血管内治療の勉強ができないものかと、とても甘い考えを持っていましたが、脳神経外科のメインは開頭術です。そして大学病院での手術のほとんどは脳腫瘍の開頭術です。大学病院で後期研修を開始し、様々な疾患の手術に関わらしていただく間に私は手術がとても好きになり、自分でもできるようになりたいという気持ちが強くなりました。関連病院で研修をしている現在も手術に携わらせていただき、私にもチャンスをもらえることがあり今はさらに上手くなりたいという気持ちが強くなっています。

しかし脳神経外科の仕事は手術だけではありません。外傷や脳卒中、意識障害等の救急対応も若手医師の仕事の大半を占めます。また手術に至っては緊急も多く、自分の生活の多くの時間を病院で過ごすことになります。私自身は全て自分のスキルアップや、次のチャンスに繋がっていくことだと考えていますのでプライベートな時間が少ないことは全く不満ではありません。また脳神経外科の仕事は決して全てが上手くいきハッピーな結末ばかりではありません。手術による後遺症を呈される患者様もいますし、脳卒中で後遺症を残される方もいます。その方たちと向き合っていかねばなりませんので責任感と強い心が必要だと思います。

脳神経外科の仕事はとても魅力的で面白いですが、仕事量も多く、緊急対応が必要な場面も多いです。自分がやりたいことをやり、メインとなって関わっていくためにはトレーニングが必要です。脳神経外科を目指す女性だけではなく全ての皆さんはそのことを認識してください。しかし我々若手医師がきちんと働き、トレーニングを日々積んでいれば、周りの先生方はチャンスをくださいますので、鹿児島大学脳神経外科での研修はとても充実したものになると思います。私は脳神経外科に入局して3年目ですが、開頭だけでなく、顕微鏡に触らしてもらえることもあるし、血管内治療ではマイクロカテーテルを触らせてもらえることもあります。若手の医師にたくさんの経験を与えてもらえるとても良い環境であると思います。

女性の脳神経外科医師が少ないのが現状です。しかしそれはやはり個人が自分のライフスタイルを考えプランニングしていますので、仕事量が多く結果的にプライベートな時間が削られる脳神経外科から女性が遠のくのは不思議ではありません。私は一様に脳神経外科を専攻することを女性医師に勧めることはできないと考えています。しかしトレーニングに時間がかかることや、仕事内容を理解した上で脳神経外科に興味がある方には鹿児島大学脳神経外科での研修はとても有意義であると思います。女性の先生方も複数いらっしゃいますので困った時は相談することもできる環境です。興味のある方は是非見学にいらしてください。

interview 樫田 祐美 2012年 入局

皆さん、こんにちは。脳神経外科入局7年目の樫田祐美と申します。

脳神経外科に興味を持っているけれども、実際の脳神経外科に入局するか迷っている方もいらっしゃるかもしれません。脳神経外科にどのようなイメージを持っていらっしゃるでしょうか。救急患者の対応で忙しそう、長い手術で大変そうなど、ちょっと大変そうだなというイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。

勿論、そのような大変な場面もありますが、実際に脳神経外科がカバーしている領域はとても広く、脳卒中診療だけでなく、頭部外傷、脳腫瘍の手術や化学療法、パーキンソン病などの機能外科と言われる分野、てんかんの診断と手術、更に脳卒中のリハビリテーションなどが挙げられます。脳卒中で救急疾患に従事する、脳腫瘍の手術や化学療法に従事する、機能外科で定位脳手術や術前後のマネジメントを行う、脳卒中後の高次脳機能障害の評価・リハビリテーションの分野で働くなど、その時々の状況で働き方を変えられる、人生のいろいろな局面に合った働き方ができる科であると思います。

また、生死に深く関わる分野であるので、患者さんやその家族の悲しみや喜びを身近に感じることがあり、元気になって喜んでくださる時にはこちらもとれも嬉しくやりがいを感じます。

私なりの脳外科の紹介をさせて頂きました。少しでも興味を持って頂いている方がいれば一度、見学だけでも是非いらして下さい。お待ちしております。

interview 新里 友美 2006年 入局

私は脳外科医となった後、子供を4人出産し、その都度産休育休をいただき、現在は週4日、当直、オンコールなしで勤務させていただいています。

医師となり、経験を積まねばならない時期に妊娠出産が重なり、最初の出産の際には、同世代の医師とキャリアの差がどんどんついてしまうことに対する焦り、復帰できるのだろうかという不安でいっぱいでした。しかし、勤務体制を医局に思案いただき、最初は週1回勤務から、そして家庭状況に応じながら、復帰後の勤務体制をバックアップしていただきました。自分が今こうして働くことができているのは、周りの先生方の御理解、御支援、家族の協力あってのものだと、つくづくこの環境をありがたく思います。

4人目にしてようやく育児に余裕を持てるようになり(やっと!?)、今は末っ子の3歳児がかわいくて、孫をかわいがる祖母のようなおおらかな気持ちで育児を楽しんでいます。仕事に対しては育児が、また育児に対しては仕事が、私にとってはいい息抜きになっている気がします。

限られた勤務時間の中、手術の途中で交代しなければならなかったなど、医師としての技術、業績はまだまだ未熟で悩むことは多々ありますが、最近になって自分は自分のペースで、と前向きに考えられるようになりました。自分が働くことで家族には逆に負担をかけてしまっている、それも事実です。でも、産休育休で2,3年に一度休職を挟みながらも復帰し、今こうして働くことができている、辞めずに働いてきてよかった、と思っています。これからも家庭と仕事のバランスをとりながら、マイペースで働き続けていきたいと思います。女医さんにとって不安はつきものでしょうが、脳外科に興味があれば、妊娠出産に対する支援体制については安心し、脳外科医を目指して欲しいと思います。子供を持つ女医さんの輪がもっともっと広がりますように。