先輩の声 voice
interview 牧野 隆太郎 Medical staff
- 出身大学
- 鹿児島大学
- 入局年
- 2020年
入局した理由
学生時代から漠然と神経系に興味がありました。教科書に載っている解剖や症候学などに興味を覚えたのだと思います。臨床実習で実際の症例を体験すると、脳神経外科が取り扱う疾患の多様性に魅力を感じました。カンファレンスでは血管障害、良性腫瘍、悪性腫瘍、機能性疾患、外傷など様々な疾患が飛び交い、さらにその範囲は脳から脊髄、ときに末梢神経までカバーします。経験する症例も、超急性期から慢性期まで様々でした。この診療科であれば自分に向いている領域があるのではないか、生涯にわたって熱中できるのではないか、と思い門を叩きました。「微細な顕微鏡手術」、「体力勝負」などのイメージもあったため多少の不安は残りましたが、先輩たちの話を聞くにつれ解消されました。
入局して感じたこと
まず、初期研修医の時とは異なる責任感を覚えました。どの診療科に入局しても同様だと思いますが、しっかり勉強しないといけませんし、勉強したことが少しずつ身についていくと充足感が得られました。はじめは手術そのものというより、手術に至るまでの診断、方針決定のプロセス、非手術症例の管理などに学ぶべきところが多くありました。また、脳神経外科専攻医として鹿児島は非常に恵まれた環境であることを実感します。県内の症例は非常によく集約化され、各サブスペシャリティーの専門家が在籍していることも大きなメリットです。鹿児島全体として、若手育成に熱心という気風もあります。最近は大学院に進学させていただき、研究の楽しさも味わっています。
入局を考えている人にメッセージ
このページに辿り着かれた医学生・研修医の皆様は、少なからず当科にご興味があるものと推察します。脳神経外科の魅力の一つは先に述べた高い多様性で、入局を検討している皆さんそれぞれにもきっとマッチします。脳神経外科医として、一緒に頑張りましょう!
interview 渡邉 章二 Medical staff
- 出身大学
- 鹿児島大学
- 入局年
- 2020年
入局した理由
学生の頃から脳神経系に興味を持っていましたが、「脳はまだ分かっていない分野が多くてこれからいろいろなことが更に解明されていくのだろう」とか、「悪性神経膠腫は治療が難しい病気で多くの研究がされているけれど、なんとか新しい治療ができないものだろうか」などと、最初は漫然とした興味でした。学生実習や初期臨床研修ではいろいろな科の手術に入らせていただいて、それぞれの科ごとの手術の面白さを垣間見ることができ、人生の一つの分岐点として今後の方向性に悩むこともありました。しかし、初期研修で経験した脳腫瘍の手術や、血栓回収術後に歩いて帰ることができた患者さんをみて、脳神経外科へまたぐっと引き寄せられ、最終的には「自分の好きな分野でないと続けられないな」という思いから脳神経外科に入局した次第です。
入局して感じたこと
脳神経外科専門医試験に向けて勉強をしているところですが、先生方にはいつも気にかけていただいて、ご指導いただく充実した毎日です。日常診療から自分で解決できないことは上級医にすぐ相談できる環境にありますし、脳神経を扱う性質上一刻を争う緊急の場合もありますが、その時は皆が駆けつけて「患者さんを良くするぞ」と治療に走る一体感もあります。
入局を考えている人にメッセージ
脳神経外科は、脳腫瘍のみならず、脳卒中を含めた脳血管障害、機能外科や脊髄外科など幅広い分野があり、入局後に研修を続けながら自分の興味がある分野をみつけて、サブスペシャリティとして選択することも可能です。大学病院は悪性腫瘍など希少な症例が集まりますが、関連病院も数多く存在するため、脳卒中や外傷などに多く携わることもでき働き方も様々です。また、鹿児島大学は女性医師も含め、若手の医師が増えて来ている医局でもあります。ぜひ見学していただいて、脳神経外科の面白さを垣間見てみませんか。
interview 田上 なつ子 2016年 入局
脳神経外科の後期研修中の田上なつ子です。
2014年度から初期研修をスタートし2016年度から鹿児島大学脳神経外科に入局しました。初期研修を終える中でカテーテル治療に興味を持ちました。他のカテーテル治療を行う診療科とも迷いましたが、結果的に脳神経外科を選びました。入局した当初は開頭術にあまり興味はなく、できれば手術にあまり携わることなく血管内治療の勉強ができないものかと、とても甘い考えを持っていましたが、脳神経外科のメインは開頭術です。そして大学病院での手術のほとんどは脳腫瘍の開頭術です。大学病院で後期研修を開始し、様々な疾患の手術に関わらしていただく間に私は手術がとても好きになり、自分でもできるようになりたいという気持ちが強くなりました。関連病院で研修をしている現在も手術に携わらせていただき、私にもチャンスをもらえることがあり今はさらに上手くなりたいという気持ちが強くなっています。
しかし脳神経外科の仕事は手術だけではありません。外傷や脳卒中、意識障害等の救急対応も若手医師の仕事の大半を占めます。また手術に至っては緊急も多く、自分の生活の多くの時間を病院で過ごすことになります。私自身は全て自分のスキルアップや、次のチャンスに繋がっていくことだと考えていますのでプライベートな時間が少ないことは全く不満ではありません。また脳神経外科の仕事は決して全てが上手くいきハッピーな結末ばかりではありません。手術による後遺症を呈される患者様もいますし、脳卒中で後遺症を残される方もいます。その方たちと向き合っていかねばなりませんので責任感と強い心が必要だと思います。
脳神経外科の仕事はとても魅力的で面白いですが、仕事量も多く、緊急対応が必要な場面も多いです。自分がやりたいことをやり、メインとなって関わっていくためにはトレーニングが必要です。脳神経外科を目指す女性だけではなく全ての皆さんはそのことを認識してください。しかし我々若手医師がきちんと働き、トレーニングを日々積んでいれば、周りの先生方はチャンスをくださいますので、鹿児島大学脳神経外科での研修はとても充実したものになると思います。私は脳神経外科に入局して3年目ですが、開頭だけでなく、顕微鏡に触らしてもらえることもあるし、血管内治療ではマイクロカテーテルを触らせてもらえることもあります。若手の医師にたくさんの経験を与えてもらえるとても良い環境であると思います。
女性の脳神経外科医師が少ないのが現状です。しかしそれはやはり個人が自分のライフスタイルを考えプランニングしていますので、仕事量が多く結果的にプライベートな時間が削られる脳神経外科から女性が遠のくのは不思議ではありません。私は一様に脳神経外科を専攻することを女性医師に勧めることはできないと考えています。しかしトレーニングに時間がかかることや、仕事内容を理解した上で脳神経外科に興味がある方には鹿児島大学脳神経外科での研修はとても有意義であると思います。女性の先生方も複数いらっしゃいますので困った時は相談することもできる環境です。興味のある方は是非見学にいらしてください。
interview 樫田 祐美 2012年 入局
皆さん、こんにちは。脳神経外科入局7年目の樫田祐美と申します。
脳神経外科に興味を持っているけれども、実際の脳神経外科に入局するか迷っている方もいらっしゃるかもしれません。脳神経外科にどのようなイメージを持っていらっしゃるでしょうか。救急患者の対応で忙しそう、長い手術で大変そうなど、ちょっと大変そうだなというイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。
勿論、そのような大変な場面もありますが、実際に脳神経外科がカバーしている領域はとても広く、脳卒中診療だけでなく、頭部外傷、脳腫瘍の手術や化学療法、パーキンソン病などの機能外科と言われる分野、てんかんの診断と手術、更に脳卒中のリハビリテーションなどが挙げられます。脳卒中で救急疾患に従事する、脳腫瘍の手術や化学療法に従事する、機能外科で定位脳手術や術前後のマネジメントを行う、脳卒中後の高次脳機能障害の評価・リハビリテーションの分野で働くなど、その時々の状況で働き方を変えられる、人生のいろいろな局面に合った働き方ができる科であると思います。
また、生死に深く関わる分野であるので、患者さんやその家族の悲しみや喜びを身近に感じることがあり、元気になって喜んでくださる時にはこちらもとれも嬉しくやりがいを感じます。
私なりの脳外科の紹介をさせて頂きました。少しでも興味を持って頂いている方がいれば一度、見学だけでも是非いらして下さい。お待ちしております。
interview 新里 友美 2006年 入局
私は脳外科医となった後、子供を4人出産し、その都度産休育休をいただき、現在は週4日、当直、オンコールなしで勤務させていただいています。
医師となり、経験を積まねばならない時期に妊娠出産が重なり、最初の出産の際には、同世代の医師とキャリアの差がどんどんついてしまうことに対する焦り、復帰できるのだろうかという不安でいっぱいでした。しかし、勤務体制を医局に思案いただき、最初は週1回勤務から、そして家庭状況に応じながら、復帰後の勤務体制をバックアップしていただきました。自分が今こうして働くことができているのは、周りの先生方の御理解、御支援、家族の協力あってのものだと、つくづくこの環境をありがたく思います。
4人目にしてようやく育児に余裕を持てるようになり(やっと!?)、今は末っ子の3歳児がかわいくて、孫をかわいがる祖母のようなおおらかな気持ちで育児を楽しんでいます。仕事に対しては育児が、また育児に対しては仕事が、私にとってはいい息抜きになっている気がします。
限られた勤務時間の中、手術の途中で交代しなければならなかったなど、医師としての技術、業績はまだまだ未熟で悩むことは多々ありますが、最近になって自分は自分のペースで、と前向きに考えられるようになりました。自分が働くことで家族には逆に負担をかけてしまっている、それも事実です。でも、産休育休で2,3年に一度休職を挟みながらも復帰し、今こうして働くことができている、辞めずに働いてきてよかった、と思っています。これからも家庭と仕事のバランスをとりながら、マイペースで働き続けていきたいと思います。女医さんにとって不安はつきものでしょうが、脳外科に興味があれば、妊娠出産に対する支援体制については安心し、脳外科医を目指して欲しいと思います。子供を持つ女医さんの輪がもっともっと広がりますように。