キャリアパス career
1.キャリアパス
2年間の初期研修を終えて、それぞれの診療科に進む先生方にとって気になるのが、キャリアパスです。
キャリアパスとはある職位や職務に就任するために必要な業務経験とその順序のことを言います。言い換えればキャリアアップの道筋のことを指します。ある診療科に入局して医者にしての道を歩み始め、どのぐらいの期間の医療を経験し、どの程度の能力が必要となるのか、またどのようなポストにつけるのかを明確化したものと言えます。鹿児島大学脳神経外科に入局すると、すぐに脳神経外科専門医習得プログラムに組み込まれます。これがいわゆるキャリアパスの第1歩と言えます。通常は入局前年の秋頃に日本脳神経外科学会の専門医取得プログラムに登録され、入局と同時に専門医取得のプログラムが始まります。専門医をとるには入局後4年間の間に基幹施設となる鹿児島大学病院に6ケ月以上の在籍しての修練が義務化されています。残りの3年半では脳神経外科指導医が2名以上いる連携施設と呼ばれる大きな病院で研修を行うことになります。ただし1年間を限度に脳神経外科以外の診療科(麻酔研修や外科研修)、研究施設(留学など)、他大学での研修も認められています。入局して5年目の夏に専門医試験を受験することが可能となります。
専門医を取得した先生のキャリパスは大学に残り、教育・研究・臨床を深めていくコース、関連病院の部長となって地域医療に従事するコース、大学院に進学し、学位を取得するコース、自身の専門分野を極めるために海外留学を目指すコースなどがあります。またさらにsubspecialityと言われる自身の得意とする、あるいは興味を持った疾患や治療法に特化して、キャリアを積んでいくことができます。この時にはさらなる認定医/専門医を取得することが可能となります。脳外科のキャリアアップには多くの道が分かれており、その選択の自由度は他の診療科に類を見ない多岐に渡るものとなっています。男女関係なく、子供が生まれた後においても生涯、脳神経外科専門医として活躍できる場が保障されています。
鹿児島大学脳神経外科 研修プログラム
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科脳神経外科
連携施設
- 鹿児島市立病院脳神経外科
- 医療法人慈風会厚地脳神経外科病院
- 藤元総合病院脳神経外科
- いちき串木野市医師会立脳神経外科センター
- 今給黎総合病院脳神経外科
- 静岡てんかん・神経医療センター脳神経外科
- 医療法人七徳会大井病院脳神経外科
- 川内市医師会立市民病院脳神経外科
- 国立病院機構・鹿児島医療センター脳神経外科
- 今村総合病院脳神経外科
- びろうの樹脳神経外科
関連施設
- 和風会加世田病院脳神経外科
- 鹿児島県立大島病院脳神経外科
- 出水郡医師会広域医療センター脳神経外科
- 鹿児島共済会南風病院脳神経外科
- 種子島医療センター脳神経外科
- 豊島病院脳神経外科
- 小原病院脳神経外科
- 霧島市立医師会医療センター脳神経外科
- 医療法人国分脳神経外科
- 県民健康プラザ鹿屋医療センター脳神経外科
- 鹿児島赤十字病院脳神経外科
- 日本医科大学脳神経外科
- 東京女子医科大学脳神経外科
- 聖マリアンナ医科大学脳神経外科
- 広島大学大学院医歯薬保健学研究院脳神経外科学
- 虎の門病院脳神経外科
- 聖路加国際病院脳神経外科
- 札幌禎心会病院脳神経外科
- 網走脳神経外科・リハビリテーション病院
2.地域枠で入学した研修医のキャリアパス
地域枠で入学された研修医の先生方にとって、将来のこと、つまりキャリアアップのことが不安なことをよく相談されます。鹿児島大学を含む県内ほぼ全ての病院では地域枠研修医の先生方の専門医取得に向けた特別なプログラムを用意しています。特に鹿児島大学脳神経外科では専門医取得は通常、医師として7年目に取得可能ですが、地域枠研修医の先生方も7年目までは同様のキャリアパスで専門医を取得するようにプログラムされています(早期専門医取得のローテーションモデル)。専門医取得後にそれぞれの義務化されている病院群のローテーションをこなすことでなんら問題はありません。もちろん義務化されている病院群のローテーションを先に行うパターンでも問題ありません(早期契約履行のローテーションモデル)。
早期専門医取得のローテーションモデル
要件 | 卒後 | 1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | 6年目 | 7年目 | 8年目 | 9年目 | 10年目 | 11年目 | 12年目 | 13年目 | 14年目 |
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義務 | 初期臨床研修 | うち、指定実務研修(1年)及び、勤務6年 | |||||||||||||
(例) | 義務内 年次 |
1年目 | 2年目 | 義務外 | 義務外 | 義務外 | 義務外 | 義務外 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | 6年目 | 7年目 | 8年目 | 9年目 |
区分 | 初期臨床研修 | 専門 研修 |
専門 研修 |
専門 研修 |
専門 研修 |
専門 研修 |
実務 研修 |
義務 勤務 |
義務 勤務 |
義務 勤務 |
義務 勤務 |
義務 勤務 |
義務 勤務 |
||
研修/ 勤務先 |
県立病院 又は 鹿大病院 |
鹿大 病院 |
●● 病院 |
●● 病院 |
●● 病院 |
鹿大 病院 |
県立病院 (内、救) 等 |
離島・ へき地診療所 |
知事指定病院 | 知事指定病院 | |||||
専門研修ローテーション | 基幹 施設 |
連携 施設 |
連携 施設 |
連携 施設受験資格取得 |
基幹 施設専門医取得 |
※診療所の最寄りの中核病院にて週1日程度研修 | 連携施設専門医更新 | 連携施設 |
早期契約履行のローテーションモデル
要件 | 卒後 | 1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | 6年目 | 7年目 | 8年目 | 9年目 | 10年目 | 11年目 | 12年目 | 13年目 | 14年目 | 15年目 |
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義務 | 初期臨床研修 | うち、指定実務研修(1年)及び、勤務6年 | ||||||||||||||
(例) | 義務内 年次 |
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | 義務外 | 義務外 | 義務外 | 義務外 | 義務外 | 6年目 | 7年目 | 8年目 | 9年目 | 終了 |
区分 | 初期臨床研修 | 実務 研修 |
義務 勤務 |
義務 勤務 |
専門 研修 |
専門 研修 |
専門 研修 |
専門 研修 |
専門 研修 |
義務 勤務 |
義務 勤務 |
義務 勤務 |
義務 勤務 |
|||
研修/ 勤務先 |
県立病院 又は 鹿大病院 |
県立病院 (内、救) 等 |
離島・ へき地診療所 |
鹿大 病院 |
●● 病院 |
●● 病院 |
●● 病院 |
鹿大 病院 |
知事指定病院 | 知事指定病院 | ||||||
専門研修ローテーション | ※診療所の最寄りの中核病院にて週1日程度研修 | 基幹 施設 |
連携 施設 |
連携 施設 |
連携 施設受験資格取得 |
基幹 施設専門医取得 |
連携施設 | 連携施設 | 専門医更新 |
地域枠専攻医の研修先医療機関(連携施設等)
連携施設:川内市医師会立市民病院(知事指定病院)
関連施設:出水郡医師会広域医療センター、霧島市立医師会医療センター、県民健康プラザ鹿屋医療センター、県立大島病院、種子島医療センター(知事指定病院) ※述べ1年以内であれば専門研修期間に含めることが出来ます。
(関連領域:脳神経内科・麻酔科・救急(IUC)なども1年以内であれば含めることが出来ます。)
問い合わせ先
担当者:鹿児島大学 脳神経外科医局
電話/FAX:099-275-5375 / 099-265-4041
E-mail:nogejm@m.kufm.kagoshima-u.ac.jp
後期研修のプログラム
医学部卒業後Super-rotation 2年間
1年目 | 大学や症例の豊富な施設での研修 脳腫瘍,脳血管障害など,基礎の習得 (鹿児島大学・市立病院・厚地脳神経外科病院など) |
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2年目 | 市中病院などでの研修 脳血管障害・救急医療 (鹿児島県内の救急病院を中心に) |
3-4年目 | 臨床コース or 大学院入学 |