診療・教育・研究の充実と発展を通して最良の医療を提供

脳神経外科は、脳や脊髄の神経系疾患に対して高度な手術治療を行う分野です。対象とする疾患は、髄膜腫・下垂体腫瘍・グリオーマなどの脳腫瘍、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血・モヤモヤ病などの脳血管障害、薬の効かないてんかんやパーキンソン病・三叉神経痛や顔面けいれんなどの脳機能疾患、脊髄腫瘍や脊椎変性疾患などの脊椎・脊髄疾患、小児疾患、頭部外傷など多岐にわたります。鹿児島大学脳神経外科では鹿児島の医療を支えるべく、こうした多岐にわたる疾患に対して、専門スタッフが常に新しい治療法を取り入れながら専門医療を提供する体制を整えています。

私達は次世代の鹿児島の医療を担う若手脳神経外科医の育成と教育にも力を注いでいます。関連施設と協力して専門医教育プログラムを推進し、毎年優れた脳神経外科専門医を輩出しています。脳神経外科は神経系疾患全般を治療する基本的診療科でもあり、脳神経外科医は脳神経系の総合医として地域診療にも大きく貢献しています。さらに、インドネシアやネパールなどからの医学生の短期研修や若い脳神経外科医の受け入れを通じて、アジアを中心に積極的な国際交流や医療支援を行っています。

脳神経外科学はとても魅力的な研究分野でもあります。遺伝子診断や放射線診断などの診断学、手術法や治療法、治療機器、そして脳神経科学と、脳神経外科学の領域は常に進歩を続けています。私達もこうした進歩に貢献すべく、他分野や他施設と協力して研究を進めています。

こうした最良の医療・教育・研究を保ち続けるためには、構成員の充実した生活が欠かせません。私達はライフワークバランス充実の面でもアカデミアのトップランナーを目指します。

鹿児島大学脳神経外科学教室は、大学の使命である診療・教育・研究の充実と発展を通じて、最良の医療を提供するとともに、地域への貢献を果たしていきたいと考えています。

2022年4月
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科脳神経外科学
教授　花谷 亮典