“看護”のためのフィジカルアセスメント演習を実施致しました

日時:2018年10月2日(火)〜10月3日(水)

場所:鹿児島大学病院総合臨床研修センター(セミナー室)

看護師は何のために「フィジカルアセスメント」を行うのでしょうか。看護のためのフィジカルアセスメントとは「身体と生活を統合した臨床推論」です。生命と生活の視点から推論する能力が看護師には不可欠です。本研修では、1日目に「身体と生活を統合した臨床推論」のために必要な基本的なタスクトレーニングを行い、2日目は、多職種連携ハイブリッドシュミレータ Scenarioを使用し、在宅事例を用いて演習しました。講師は、how toではなく、思考過程を導いて下さるフィジカルアセスメントの第一人者、山内豊明教授に今年もお願い致しました。

演習目標は下記のとおりと致しました。

①時間軸で身体に何が起こったのかアセスメントできる

②生活に変化がないかアセスメントできる

③介護力をアセスメントできる

④次回訪問するまでの予測ができる

⑤療養者・家族の意向を確認できる

⑥以降を含め、主治医への報告ができる(ISBARを用いて)

⑦療養者・家族が理解できるよう説明、予防的視点で支援ができる

⑧サービスの調整について代替案の提示ができる

対象者につきましては、本事業の普及・広報、養成に係わる現場の実習指導者等の教育・指導能力を高めるための研修会を開催する必要もあり、公開講座と致しました。地域の医療機関、訪問看護ステーション、教育機関に従事する看護師が参加してくださいました。また、学部生の参加もありました。

1日目は、急変時のアセスメントについてご講義頂き、その後、フィジコを用いて呼吸音聴診トレーニングを行いました。普段、漠然とバイタル測定や聴診を行っており、アセスメントに繋がっていなかったことや聴診しても異常・正常を聞き分けられていなかったこと、また、聴取音について正しく記録できていなかった等、多くの気づきがありました(アンケート参照)。二日目は、臨床推論、シミュレーション教育についてご講義いただき、その後、多職種連携ハイブリッドシュミレータ“SCENARIO”を使用し、課題解決力や柔軟な対応が求められる訪問看護の事例を用い演習を行いました。訪問看護師役、療養者役、家族役、主治医役をそれぞれが実際に演じてみることで、様々な立場の想いがあるということに気付き、フィジカルアセスメントに加え、聴く技術、アドボケイトを含めた伝える技術等を再考する機会となりました。また、自己の看護観により、聞き取る内容や意向の確認が異なり、判断や対処が異なることに気付けました(アンケート参照)。

タスクトレーニングだけでは導き出せない在宅現場の複雑な推論を体感することができるSCENARIOを作成してくださった京都科学さん、在宅看護の複雑な思考過程やマネジメントを言語化できるようデブリフィーングをご教示頂いた山内先生に心から感謝申し上げます。京都科学さんや山内先生と何度も何度も受講生の教育効果について協議し、プログラムを練り直すことで教員自身も多くの気づきがあり学びとなりました。これからも複雑な臨床の現場で活かせるような企画を行いたいと存じますので皆様、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

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