総合テーマ実習を行いました(^^)/

総合テーマ実習 平成30年7月30日~8月3日
奄美大島

総合テーマ実習は、学生がこれまでの学習の達成度を評価し、発展させるための課題に取り組むことによって看護職としての将来の活動に繋げることをねらいとしています。

実習の目的は、学生自身が主体的に実習課題を設定し、看護基礎教育における学びを統合しながらあらゆる健康レベルにある対象に継続的に全人的な保健医療を提供するチームの一員として看護を提供するための総合的な看護実践能力、看護の質を保証する管理能力、および看護専門職としての自律性を養うことです。

実習目標は下記の4つとなります。

①実習課題の選択、実習計画の立案、実践、実習の振り返りの意見交換のすべてを通じて、主体的に展開することで、看護専門職としての自律性を身につけることができる。

②生活者としての人間への深い理解に根差し、対象者のアセスメントおよびエビデンスに基づいて、対象の主体性を尊重した看護実践ができる。

③チームの一員として連携・協働し、対象者に看護援助を提供できる。

④保健医療提供システムにおける保健・医療・福祉の連携と課題を考えることができる


ベーシックコース履修生

2名のテーマは小児!! 離島の「在宅療養児」について学びました(^^)/

「ベーシックコース」とは??

 

平成26年度、文部科学省「課題解決型高度医療人材養成プログラム」採択事業です。

学部4年生から、離島・へき地で実習を行い、下記の

「地域ケアを担い得る基礎的能力」を育成します。

①退院支援・調整のできる能力の習得

②訪問看護師としての基礎的能力の習得

 

なぜ「離島・へき地をフィールド」とした教育プログラムなのか??

鹿児島県の離島・へき地は少子高齢化・医師や医療資源の不足・偏在化、高齢者を地域で支える人材不足という、日本が抱えている諸問題を先駆けて経験しています。今後予想される超高齢多死社会を支えるためには、医療と介護のネットワークの構築や、急増する高齢者を地域で支える取り組みなどを含めた、地域包括ケアの確立・強化が課題であり、それらに必要な人材を養成するのに適するフィールドと考えております。病院のなかでの医療を中心としたフィールドではなく、離島やへき地の医療資源が乏しい中で、そこで生活する人々が独自で多様な文化(価値観、生活様式、風土)を持って暮らしていることを体験することで、対象は「患者」ではなく「生活者」であるということに気付く体験ができます。また、医療資源が乏しいため、看護師の担う役割も多く、看護の本質である「全人的に看る」視点を養うことができます。(個人的には、専門能力以前に求められる、人としての資質「豊かな人間性、感性」も学べると考えております)(*^▽^*)

学生の学び:ベーシックコース履修生のレポートより

*今回の実習を通して、一番学んだことは、離島でも本土でも子どもを育てる母親や家族の悩みや不安は変わらないということである。訪問看護師は母親の様々な悩みに丁寧にアドバイスしたり、体調をアセスメントしたり、様々なサービスを利用できるよう医療や行政、教育の場と連絡調整したり「遊び」(療育)を大事にした成長・発達支援を行っていた。このようなケアを行いながら、母親の思いに寄り添うことで信頼関係を築き、その上で家庭環境やサポートなどの生活環境において子どもと家族が健康に過ごすことができるよう踏み込んでいく(家族支援)ことも大事であると学んだ。また、訪問看護師に求められるものとして、確かな知識や技術はもちろん、子どもや家族の“強み”を発見できる観察力や考え方(ストレングス)も重要であると学んだ。子どもと家族の地域での生活は続いていくため、日々の生活の中での問題点を探すのではなく、子どもや家族の頑張っていること、子どもの成長を発見することにより、地域で暮らす喜びを感じることが出来るのだと考える。

*キッズケアホームで発達障がいのある子供達と関わった。子どもたちは自分の思っていることを主張し、子ども同士でぶつかることもあった。その際は、保育士が介入して解決することやお互い黙って距離をとっていた。保育士は怒るのではなく、一緒に問題解決できるよう関わっていた。また、遊びは集団遊びを取り入れており、遊びの前にはルール確認を必ずしていることも印象的だった。

*訪問看護を利用している家族は「育児に不安がある」「ケアに不安がある」「子どもが重要疾患を抱えている」「兄弟で利用している子がいた」などの理由から利用していることがわかった。実際に訪問看護へ一緒に行くことで、訪問看護師が看護ケアの他に発達支援や母親への精神的ケアを行っていることがわかった。特に精神的ケアが一番大切になるのではないかと感じた。不安を持っている家族や頑張りすぎている家族が多く、その家族の不安を傾聴し気持ちを軽くする(カタルシス)、頑張っていることを認める(承認)ことが大事だと学ぶことができた。

訪問看護ステーションほほえみ、キッズケアホーム にこぴあの 皆様、

有難うございましたヾ(*´∀`*)ノ

学生のポスター発表を聴いて「やはり今年も奄美にお願いしてよかった!!」と嬉しく思いました。

机上の勉強では学ぶことのできない貴重な経験をさせて頂きました。事象をどのように捉えるか・・・看護として「どのように意味づけるか」は臨床の場でしか学べません。指導者の皆様が引き出してくださったおかげです。心より感謝申し上げます。

今回も、看護の本質である「支えるということ」、対象の発達支援のみではなく、共に生活する家族の支援や多職種協働の在り方について、学生は多くのことを感じ・学ぶことができました。奄美広域の母子を支える小児専門の訪問看護ステーションほほえみ、キッズケアホーム にこぴあの皆様には大変お世話になりました。実習では指導者より温かくご指導いただき、学生はイキイキと学びを報告してくれました。また、学生は、知識・技術だけではなく、人間理解の能力を養うことの大切さについて気付けました。最後に離島・へき地を含めた在宅医療の発展に寄与できる人材の育成を使命とする鹿児島大学保健学科看護学専攻がこれからも目標を達成できますよう今後ともご指導・ご鞭撻くださることをお願い致します。

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