アドバンスコース1期生 学内演習

『その人らしさを支えるための在宅における看護過程』

2016年6月13日(月)、7/5(火)、7/11(月)13:25~16:40
於:第1回目・第3回目:桜ケ丘共通教育棟5階 503講義室、第2回目:沖永良部徳洲会病院会議室

学内演習を3回に分けて開催致しました!!
この学内演習では、疾患を中心とした問題解決のみでなく、療養者・家族の生き方や望みを把握し、生活の質が向上するよう目標達成志向での援助を導き出し、療養者・家族の意思決定を支えるための在宅における看護過程を学びます。
在宅の看護過程について、丹羽教授より〝これまでにみえてきた「問題」と今後の学習課題と看護過程の重要性〟について、金子講師より〝在宅看護の目指すところは疾患や障害を抱えながら「その人らしく、その人の望む生活を営む」ことであり、治療によってその人が大切にしてきた生活を諦めないように支援することの重要性〟“ケアマネジメントと看護過程は共通した思考過程である”ことについて講義形式で思考の整理を行いました。
その後、履修生の事例をもとに、グループワークを行いました。情報の整理と情報の意味づけを行いながら、不足している情報はないか、アセスメントが自分の思い込みやパターンにあてはめていないかなど考えながら看護計画を立案しました。
その後、対象の課題に応じて、ICF・家族アセスメントツールを選択し、展開していきました。
それぞれのツールを使用して、見えてきたものやさまざまな気づきがありました。

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【アンケート結果】

☆アセスメントトレーニングシート、ケアプラン、ICF、家族アセスメントツールを使用して感じたこと

  • 家族構成を把握するだけでなく、関係性やそれぞれの役割を知り、一人一人を捉えていかないといけない。
  • 家族アセスメントをする事で、家族の背景を詳しく知る事ができ、本人や家族の思いを支える上で重要であるという事を強く感じた。このアセスメントができていなければ看護師の関わりも違っていたのではないかと思う。
  • 看護目標が今まで疾患ばかりになっていたが、家族も含めてケアの対象になることを知った。
  • 入院前の情報や、家族以外の人的環境因子の情報が必要であったと感じた。
  • 偏りがちな情報や自分の癖を認識していくことが大切であると感じた。
  • 一人の人を見るのにそれを取り巻く環境、お金、死生観、役割などの情報を得ることが必要である。

☆演習全体を通して感じたこと

  • 情報の整理、本人・家族を含めたアセスメントが、在宅での「その人らしさ」を支える目標や計画に(看護過程)繋がると感じた。
  • 対象者を知るという事は、ご家族(本人だけでなく)、経済状況など多くの情報収集が必要であり、それを通してより良いケア、看護を繋げる事ができると思った。
  • 対象とのコミュニケーションの中での情報もしっかり把握しておく必要がある。疾患メインでの情報収集中心になりがちで、生活者としての視点が薄く、情報収集内容が不足しがちである。
  • 対象の全体を把握することが、対象のみならず家族も含めた全体への看護のアプローチにつながると思った。
  • 最後の先生の意見を聞き、私は疾患、ADLに仕事中は頭がいっぱいになり、今日学習したADL、IADL、自宅での状況などはリハビリスタッフ、経済などはSWより情報を得ることが多く、今まで情報収集を全てしていた気になっていた。ご家族の事など他にも多くの情報収集が必要であることに気付いた。
  • 住み慣れた地域で暮らすための強みを考えようとすることができた。
  • 事例提出時はこれで十分と思ったが不足しているところが多かった。見ようとしなければ見ないし、気づこうとしなければ気づけない。広い視野でみることが大切だと感じた。

☆本日の学びや感想をお聞かせ下さい。

  • アセスメントの重要性と、情報収集の仕方、分析を細かくすることで、今後の看護に生かされることを学んだ。情報収集では紙面だけではなく、聞き取りなど、話の内容などから得られる重要な情報があるので、引き出す力が大切だと感じた。
  • 対象の全体を把握することが、対象のみならず家族も含めた全体への看護のアプローチにつながると思った。
  • 今回はICFを活用して情報を整理したが、自分の情報不足の多さや、自分が病気や治療に対してのみ目が向いていることに気付き、患者のその人らしさという視点(生活者としての視点)を捉えていないことにも気付いた。実習や今後の関わりの情報では、全体像を捉えられる様に自分を鍛えることが大事であると実感した。
  • 病院も在宅も一人の人を「捉え・支える」ためには看護師の視点は同じ(ケア内容や材料が変わっても)であることに気づいた。

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最後に・・・
収集した情報から対象の全体像を捉えなおすことで、ケアマネジメントに必要な思考過程について理解することができたのではないでしょうか。
その人が大切にしてきた生活を支えるためにこれからも学んでいきましょう!!

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