春の日に思うこと

すっかり温かくなり過ごしやすい季節になりました。皆さまいかがお過ごしでしょうか?


今年の春は晴れた日が多く、桜もたくさん満喫できたような気がします。私の働く施設には施設内に大小いくつもの桜の木があり、今年も綺麗な花を満喫しました。車椅子で自走される入居者様は桜の見える窓に立ち止まり、思い思いの時間を過ごされていました。

 この季節になると経管栄養をされている入居者様を桜の見えるところにお連れして食事を提供しています。言語的コミュニケーションが不可能な方々ですが、光を感じ、風を感じ、いつもとは違う表情をされる様子を見ると何かしら感じているのだろうと思うところです。

 ところで私たちが勉強をさせていただいているプログラムの中に「その人らしさを支える」とあります。施設において「その人らしさとは?」と考えたときに、その人を十分に把握できていない現状に突き当たります。認知症が進み言語で意思を伝える事が困難な方々が多くいらっしゃる施設において「そのひとらしさ」を知るすべは、家族や多職種など限られた方からのみです。その中からその人らしさを見つけ出し、ほんの一瞬でもいいので入居者様が幸せを感じ取れるケアを目指していけたらと思います。

先の経管栄養をされている方の中に、もしかしたら桜を見ることがお辛い方がいらっしゃるかもしれません。私たちのケアが自己満足なケアに陥らないように一歩ずつ前に進めていけたらと思っています。

 現在、ご入居されている方々の多くは若いころに戦争という時代を過ごし、大変なご苦労をされてきた方々です。今の平和な世の中が、現在ご入居されている方々のおかげであると感謝しつつ…。

                                                                                   アドバンスコース3期生 須田 通子

 

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