鹿児島大学病院 日本感染症学会専門医研修カリキュラム
施設のリーダーとしての
感染症専門医をめざすコース
8つのStepで施設のリーダーとなる感染症専門医を目指します。
Step1
臨床微生物学の基礎を学ぶ
検査部細菌検査室と連携し、グラム染色所見・菌種同定・薬剤感受性試験結果を共有し、臨床データを踏まえて適切な診療支援につなげる
Step2
感染症診療にあたる医師の支援をできる専門医になるための経験を積む
感染制御部へのコンサルテーション依頼症例、易感染患者の感染症症例および重症感染症患者に対し、患者背景・感染臓器・原因微生物・抗菌薬の4つのポイントで病態・治療戦略を整理し、診療支援・経過観察にあたる
※ 県内外医療機関との症例検討会に加え、さらに診療経験を積みたい場合は国内留学も視野に症例経験を積む
Step3
抗菌薬適正使用活動の中心を担う薬剤師の支援をできる
専門医になるための経験を積む
- 広域抗菌薬の使用例について、患者背景・感染臓器・原因微生物のポイントで病態・治療戦略を整理し、必要な支援を薬剤師と検討し、処方医へのフィードバックにつなげる
- 抗MRSA薬の使用例で、血中濃度モニタリングを要する場合は適切な投与設計に関して薬剤師と情報共有し、そのスキルを学習する
Step4
院内感染対策の中心を担う看護師の支援をできる
専門医になるための経験を積む
- 毎週のICTラウンドに参加し、院内感染対策上重要な病原体の対策、環境整備の視点を学ぶ
- ラウンド結果やサーベイランスの結果をどのようにフィードバックすることで部署の改善につなげられるか検討する
- 集団発生時の疫学評価ができるようその基礎を実地研修する
Step5
感染症診療・対策に関する学生講義を行い、
教育できる専門医になるための経験を積む
感染制御部へのコンサルテーション依頼症例、易感染患者の感染症症例および重症感染症患者に対し、患者背景・感染臓器・原因微生物・抗菌薬の4つのポイントで病態・治療戦略を整理し、診療支援・経過観察にあたる
※ 県内外医療機関との症例検討会に加え、さらに診療経験を積みたい場合は国内留学も視野に症例経験を積む
Step6
診療経験をもとに症例・研究発表を行う
筆頭者としての論文発表1篇、学会発表2篇をまとめる
Step7
感染症診療と感染対策の視点から、
医療の質向上につなげる医師になるための経験を積む
PDCAサイクルの活用、改善活動の実践を院内ですすめるため、関連委員会・会議などに参加し、改善策の立案と実行を行う
Step8
地域の感染対策向上につなげる専門医になるための経験を積む
- 連携医療機関のラウンドを行い、外来・中小医療機関での感染対策の向上策の立案と実行を行う
- アウトブレイク発生施設のラウンド・支援を保健所等とともに行い、アウトブレイクの収束・再発防止策の立案と実行を行う