臨床麻酔

スーパー(S)、チーフレジデント(CR)体制

1.スーパー(S)、チーフレジデント(CR)体制 当日の麻酔責任者であるスーパー(S)とアシスタントスーパー(AS)、専門医取得前のチーフレジデント(CR)が若手医師の指導や手術室全体の調整をおこなっています。初期研修医や入局したばかりの麻酔担当医は、当面標傍医以上の医師と麻酔管理をおこないます。手術前に各症例の術前カンファレンス(術前管理、麻酔導入、術中麻酔管理方針、術後管理等)をおこない、必要な場合は主治医や術者の先生、手術部と相談して当日の麻酔計画をたてます。また毎朝7時30分より各麻酔担当医による術後報告、S/CRによる当日麻酔症例提示をおこなうことにより、全体で情報を共有しています。

勉強会

毎週、症例検討、学会報告等、勉強会をおこなっています。また月1回の医局会では、最近の知見をテーマ別に紹介したり、大学院生の研究内容を報告しています。

女性医師復帰支援プログラム

子育て中または妊娠中の女性医師、持病をもつ医師に対しては、体調や家庭(子育て)を考慮しながら、無理なく教育プログラムに則って経験を積めるような体制を整えています。

麻酔科専属コメディカルの充実

麻酔科専属の看護助手および麻酔科秘書を配置し、症例ごとの麻酔必要物品の収集や麻酔終了後の片づけ、電子カルテや麻酔台帳への記載など、手術室での麻酔科業務の軽量化を図っており、より臨床麻酔に取り組む環境が整っています。

豊富かつバラエティーに富んだ症例

鹿児島大学病院の麻酔科管理手術件数は年々増加傾向で、2022年度は7264件の手術が行われています。現在手術室は18室あり(MRI専用手術室1室、BCR2室、ハイブリッド手術室1室)、朝は13列の麻酔開始で、一日平均15~20件の麻酔管理症例があります。また、近年では、超音波ガイドや神経刺激ガイド下の神経ブロック(傍脊椎神経ブロック、腰神経叢、坐骨、大腿神経ブロック、腹横筋膜面、腹直筋鞘ブロックetc)を取り入れた麻酔法を積極的に取り入れています。

新入局員、研修医への教育体制

新入局員に対しては4月に、麻酔科スタッフによる臨床的なオリエンテーションを行っています。初期研修医には麻酔研修開始時に鹿児島大学麻酔マニュアルを配布しております。麻酔担当症例に関しては、各々の麻酔経験や進達度にもよりますが、基本的に最初の1~2週間は上級医の指導のもと、麻酔や麻酔記録・オーダーシステムを学びます。前期、後期研修を問わず、2週目以降には人形をもちいて気管挿管テストをおこない、臨床主任が評価します。
基本的な気道管理の技術を身につけたのち、麻酔担当医として臨床麻酔に携わってもらいます。ただし、基本的に上級医がマンツーマンで指導に当たるという手厚い臨床麻酔体制をとっています。初期研修医の場合、麻酔科ローテンション期間と進達度により、麻酔を担当する手術や麻酔方法、実施可能な手技を図2のように設定しています(図2)。後期研修医は麻酔科標傍医・専門医取得にむけて、特殊症例の麻酔管理に加えて3ヶ月のペインクリニック研修、市立病院における集中治療研修もおこなっています。