先端医療開発プロジェクト部門

プロジェクト課題一覧

課題名:革新的な腫瘍溶解性ウイルス・免疫治療の開発研究(基礎研究、非臨床・臨床開発、実用化)

代表者氏名 小戝 健一郎

所属分野 遺伝子治療・再生医学分野
https://www.kufm.kagoshima-u.ac.jp/~anatomy2/index.html
趣旨 革新的がん治療薬として期待される腫瘍溶解性ウイルス・免疫治療(OVI)の分野で、次世代OVIのプラットフォーム技術となるm-CRA(多因子増殖制御型アデノウイルス)作製技術を独自開発した。第一弾がん治療薬として発明したSurv.m-CRA-1は、First-in-Human第Ⅰ相医師主導治験を鹿大で行い、AMED革新がん事業(令和3-5年度)で再生医療等製品・オーファン医薬としての早期承認への多施設共同II相試験を実施中である。さらに科研基盤Bなどで開発に成功した免疫遺伝子を搭載した第二世代Surv.m-CRA-2は、令和4年度AMED橋渡し事業PreFに新規採択され、非臨床への準備を進めている。全く新たながん免疫治療の第三・四世代Surv.m-CRAは、令和4年度AMED革新がん事業シーズAに採択され、開発応用研究を進めている。
研究費 (最終年度が3年以内のものの中から一部を抜粋)
・日本医療研究開発機構研究費(AMED) (シーズpreF)橋渡し研究戦略的推進プログラム 「難治性癌まで制圧可能な第二世代『腫瘍溶解性ウイルス・免疫療法』の非臨床開発」 小戝 健一郎(代表) 令和4-5年度

・日本医療研究開発機構研究費(AMED) (シーズA)橋渡し研究戦略的推進プログラム 「第4世代Surv.m-CRAの開発」 小戝 健一郎(代表) 令和4年度

・日本医療研究開発機構研究費(AMED) 革新的がん医療実用化研究事業  「独自開発・革新性能の増殖制御型アデノウイルスの骨腫瘍(希少・難治性がん)承認への第Ⅱ相医師主導治験」 小戝 健一郎(代表) 令和3-5年度

・独立行政法人日本学術振興会 科学研究費補助金 基盤研究(B) 「骨軟部腫瘍を制圧できる全身性癌免疫誘導の革新的な免疫遺伝子・ウイルス治療の開発」 小戝 健一郎(代表) 令和2-4年度

・独立行政法人日本学術振興会 学術研究助成基金助成金 挑戦的研究(萌芽) 「増殖型ウイルス/CAR-T融合による革新的な癌免疫遺伝子・細胞治療技術の創出」 小戝 健一郎(代表) 令和2-3年度

・日本医療研究開発機構研究費(AMED) (シーズC)橋渡し研究戦略的推進プログラム 革新的医療技術創出拠点プロジェクト 「非切除膵癌を対象とした腫瘍溶解性ウイルスの腫瘍内局所投与療法の有効性と安全性に関する医師主導治験」小戝 健一郎(分担) 令和元年度-3年度

・日本医療研究開発機構研究費(AMED) 革新的がん医療実用化研究事業 「独自開発の革新的な増殖制御型アデノウイルスの肉腫への承認申請を目指した医師主導治験」 小戝 健一郎(代表) 平成30-令和2年度

・日本医療研究開発機構研究費(AMED) 創薬基盤推進研究事業 「次世代バイオ医薬品の高度な生産技術に関する人材育成に資する教育プログラムの作成」 小戝 健一郎(分担) 平成30-令和2年度

課題名:1型糖尿病への革新的な遺伝子治療の開発

代表者氏名 小戝 健一郎
所属分野 遺伝子治療・再生医学分野
https://www.kufm.kagoshima-u.ac.jp/~anatomy2/index.html
趣旨 ある分子の「抗細胞死+再生誘導」の作用を見出し、令和4年度AMED橋渡し事業シーズAに採択され、1型糖尿病への画期的な遺伝子治療薬として開発を進めている。
研究費 (3年以内の代表を抜粋)
・日本医療研究開発機構研究費(AMED) (シーズA)橋渡し研究戦略的推進プログラム 「1型糖尿病への革新的な増殖因子・遺伝子治療の開発」 小戝 健一郎(代表)令和4年度

・日本医療研究開発機構研究費(AMED) (新規開発シーズA)橋渡し研究戦略的推進プログラム 「抗細胞死・抗線維化・再生誘導の革新作用で難治性疾患治療のHB-EGF蛋白医薬品の実用化開発」 小戝 健一郎(代表) 令和2-3年度

課題名:個別化医療を指向したP53経路を活性化する小児白血病の分子標的薬の開発

代表者氏名 古川 龍彦、河原 康一
所属分野 分子腫瘍学分野
http://www.kufm.kagoshima-u.ac.jp/~moloncl2/
趣旨 私たちはこれまでに、核小体ストレス応答が、腫瘍に優先的にP53経路を活性化する新たな抗腫瘍機構という着想を得て、レポーターシステムを構築し、この応答を特異的に活性化し、DNA損傷なく、P53依存性の小児白血病細胞を殺傷するRC155を見出した。

RC155は、腫瘍組織で高いRPL11/PICT1結合を阻害するメカニズムを有し、開発中のMDM2阻害剤と比べ、血液毒性が低い。さらにRC155の最適化を完了し、動物に経口投与可能なRC254を見出した。また感受性を予測する診断マーカーとしてRPL11遺伝子を同定し、知財化を行った。

本プロジェクトでは、P53野生型小児白血病を治療薬として、1)in vivoの薬効薬理試験、2)試験薬製造法の確立、3)適応拡大/バックアップのがん種の決定、4)RS薬事戦略相談を行うことで、非臨床試験を実施し、臨床試験につなげる。本プロジェクトの推進によって、これまでない核小体ストレス応答を利用した癌治療薬の開発、診断マーカーを活用した個別化医療の推進が見込まれる。
研究費 ・日本医療研究開発機構  (AMED) 創薬支援推進事業創薬総合支援事業  「p53を制御する新たなストレス応答を活用したがん治療薬の探索」 河原 康一(代表) 平成30-令和2年度

・日本医療研究開発機構  (AMED) (シーズA)橋渡し研究戦略的推進プログラム  「リボソームタンパク質を標的としP53経路を活性化する癌分子標的治療薬の創生」 河原 康一(代表) 令和2年度

・日本医療研究開発機構  (AMED) (シーズA)橋渡し研究戦略的推進プログラム  「腫瘍細胞へ優先的にp53応答を来す新たな癌分子標的治療薬の開発」 河原 康一(代表) 令和元年度

・日本医療研究開発機構  (AMED) 創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業  「創薬基盤の融合による戦略的イノベーション創出(化合物ライブラリー整備と支援・高度化による創薬研究の推進)」 古川 龍彦(代表) 令和元年度

・日本医療研究開発機構  (AMED) (シーズA)橋渡し研究戦略的推進プログラム 「核小体ストレス応答による新たな治療薬の創生」 河原 康一(代表) 平成30年度

・他大学(阪大)との受託研究 「創薬基盤の融合による戦略的イノベーション創出(化合物ライブラリー整備と支援・高度化による創薬研究の推進)」 古川 龍彦(代表) 令和2年度

個別化医療を指向したP53経路を活性化する小児白血病の分子標的薬の開発

課題名:リンパ管奇形(lymphatic malformation)に対する COX-2阻害薬の有効性を検証する臨床試験

代表者氏名 岡本 康裕
所属分野 小児科学分野
https://pediatricskagoshima.jp/
趣旨 COX-2阻害薬がリンパ管奇形に対して効果のあることが、in vitroおよび、少数の患者において臨床的に確認されている。COX-2阻害薬は、一般には消炎鎮痛剤として承認されているが、リンパ管奇形に対する適応拡大を行い、診療で使用できるようにしたいと考え、臨床試験を計画している。ただし、既存薬であり、薬価が安いために、企業の協力がいまだ得られておらず、出口戦略が立てられていない。臨床試験開始までの方法を模索中である。
研究費 ・科学研究費補助金 基盤研究(C)  「COX-2阻害薬によるリンパ管奇形に対する新しい治療法の開発」 岡本 康裕(代表) 令和3–5年度

・科学研究費補助金 基盤研究(C) 「アクロレイン除去によるシクロフォスファミド心筋障害予防法の研究」 岡本 康裕(分担) 令和2–4年度

・科学研究費補助金 基盤研究(C)  「腫瘍優先的にP53応答を引き出す小児白血病の新たな分子標的治療戦略」 岡本 康裕(分担) 令和2–4年度

・厚生労働科学研究費 基礎研究 「小児がんの子どもに対する充実した在宅医療の体制整備のための研究」 岡本 康裕(分担) 令和3–4年度

・日本医療研究開発機構(AMED) 臨床研究・治験推進研究事業 「小児がんレジストリーを用いた転移性肝芽腫に対する薬剤開発戦略としての国際共同臨床試験」 岡本 康裕(分担) 平成29–令和3年度

・日本医療研究開発機構(AMED) 革新的がん医療実用化研究事業 「小児から成人をシームレスに対象としたB前駆細胞性急性リンパ性白 血病に対する前方視的臨床試験による標準治療の開発研究」 岡本 康裕(分担) 平成31–令和3年度

・日本医療研究開発機構(AMED) 革新的がん医療実用化研究事業 「小児急性リンパ性白血病に対する標準的治療法の確立:フォローアップ課題」 岡本 康裕(分担) 令和2–4年度

・日本医療研究開発機構(AMED) 革新的がん医療実用化研究事業 「AYA世代および成人T細胞性急性リンパ性白血病の小児型治療適用における限界年齢と新規バイオマーカー探索に関する研究」 岡本 康裕(分担) 令和2–4年度

・日本医療研究開発機構(AMED) 革新的がん医療実用化研究事業 「アジア国際共同臨床試験を通じたDS-ALLにおける標準治療の開発」 岡本 康裕(代表) 平成28-30年度

・日本医療研究開発機構(AMED) 革新的がん医療実用化研究事業 「アジア協同基盤を用いた分類系統不明瞭な白血病(ALAL)に対する標準治療の開発」 岡本 康裕(代表) 平成31–令和2年度