「その人らしさを支えるための看護過程」学内演習

日時:2017年5月16日(火) 13:00~17:00
場所:鹿児島大学医学部 桜ヶ丘共通教育棟 402号室

アドバンス2期生は履修2年目に入りました。
履修1年目に文化看護を学び、離島でフィールドワーク実習を行い、地域へ入るという体験より『対象は患者ではなく“生活者”である』ことに気付きました。(気付くというより対象を生活者として捉える能力を鍛えました(^^;)。
その後、その人らしさを支えるために必要な援助関係と看護倫理について学内演習で学んだあと、実務研修プレステップ(訪問看護師のシャドーイング)により在宅看護過程を展開できるための基礎的なあたまづくりを(プロセスレコードを用い)行いました。
履修生はシャドーイングを通じて「在宅看護は対象や家族のプロセスを重視した思考過程である」ことに気付きました。(気付くというより看護場面を客観的に分析すること、また、その際の感情・思考・言動の自己の特徴を分析することによって援助関係能力を鍛えました(^^;))。

なぜ、履修1年目にこのようなことをしたかと言うと・・・
看護実践能力は、看護過程の展開において、看護上の意味を見出す看護者の認識の仕方に大きく依存しているからです。
対象を「生活者」として捉えるのか「患者」として捉えるのかによって、対象の問題点やニーズのアセスメント・解決策や支援策の考案する内容など、看護過程の展開の仕方が大きく変わるからです。

在宅看護の目指すところは、疾病や障がいを抱えながら「その人らしく、その人の望む生活を営む」ことであり、治療によってその人が大切にしてきた生活を諦めないように支援することが重要です。ですので、私たちが臨床の現場で使用している問題解決思考とICF(対象の出来ること・したいことを引き出し、ニーズを明確にするプラス思考)の両方の視点を持ち、相手を多角的に捉える能力が求められます。
また、在宅看護の対象は療養者と家族ですので、家族をアセスメントする視点も必要です。

ICFとは、2001年にWHOが採択した人間の「生活機能」についての捉え方です。
在宅医療においては「健康とは単に病気・症状がないだけでなく、『生活機能』が高い水準にあること」という観点が重要です。
多職種共通言語として在宅領域では認識されていますが・・・医療機関に所属する履修生は「初めて使用した!」という返答でした(;゚Д゚)。
また、家族看護のアセスメントツールも同様でした(^_^;) 「履修生からは「どのように書いて良いのか戸惑った」という感想も聞かれましたが・・・

皆さん、ツールは思考を整理するためのものです・・・使われないようにしましょう\(^o^)/
いつの間にか、整理するためのものが「埋めるもの」になってしまうと作業となり・・・全体像が描けなくなってしまいます。
どのツールを用いても良いと思いますが…例えば家族関係のことがスッキリしない場合は家族支援のツールを用いて整理していけば良いと思います。
臨床の現場では瞬時に対応することが求められるのはよくわかりますが、看護はチームで介入しますので、誰が対応しても同じ方向で介入できるよう示すことが必要ではないでしょうか!?
また、多職種は異なる専門職ですので共通言語があると協働しやすくなります。
看護職には多職種を繋ぐキーパーソンとしての役割も求められていますので、ICFの視点で繋いでいきましょう\(^o^)/

次の実習はケアマネジャーのケアマネジメントを通して看護を俯瞰します。
実習地で皆さんとリフレクションできることを楽しみにしています\(^o^)/

学内演習アンケート

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