島嶼看護学実習オリエンテーション

【日時】平成29年 4月27日(木) 10:40~12:10
【場所】鹿児島大学桜ヶ丘共通教育棟 502講義室

ベーシックコース(学部4年生)を対象に、島嶼看護学実習オリエンテーションを行いました。

20170525 02ベーシックコースの実習と育成する能力について図に示します。学部4年次に3つの実習(総合テーマ実習、島嶼看護学実習、離島へき地でのチーム医療実習)を通して『対象の暮らし方や価値観・意思を尊重しながら看護を提供できる能力』を身につけていきます。

独自で多様な文化(価値観、生活様式、風土)をもつ離島をフィールドとし、4日間(7月31日~8月3日)沖永良部知名町で実習を行います。離島でのフィールドワークを通して、日常とは異なった生活の場に入り、その中での情報収集を体験することによって、人間関係や社会常識の重要さを知る場面をもたらし社会の物事に関心を持つことや視点の重要性さらには、自分のものの見方、考え方を深めることの重要性に気づかせてくれます。

島嶼看護学実習の目的・概要
  • 対象を全人的に捉える能力を鍛える
    看護実践能力は,看護過程を展開し看護上の意味を見出していく“看護者自身の認識”に大きく依存。“対象をどう捉えるか”は,その後の看護展開と提供する看護の質を左右
    在宅ケアとは,治療が最大の目的となる病院でのケアとは異なり,より自分らしく生きること(生活モデル)を支援するものである。在宅ケアを実践する看護職は,対象者を全人的に捉え,“その人らしさ”を尊重する視点を持つことが不可欠である。

  • 対象の「その人らしい」生活をコミュニティがどう支えるか理解する。
    地域包括ケアシステムを提供する前提として「自助・互助」の重要性を認識することが必要である。
    自助:自らの選択に基づいて自分らしく行う。互助:家族・親戚・地域の人々・友人等の助け合い
    対象者が自分らしい生活を維持・継続するためには,行政や専門職などのフォーマルなサポートだけでは 補完されず,家族・親戚・地域の人々・友人等のインフォーマルなサポートがなければならない。

今回、6名の方が履修を登録し、アンケートでは以下のようなことが述べられていました。

島嶼看護学実習で学びたいこと なせこの実習を選択したのか?

  • 20170525 01日本の最南端にある鹿児島という地域は離島を多く抱え、その一つひとつの距離が遠いという環境がある。そんな中、以前授業に来ていただいた外部の先生から、奄美から緊急搬送しなければならない妊婦さんがいて沖縄の病院と連絡をとったが、「奄美は鹿児島の管轄であるから、そちらに搬送してほしい」といわれ鹿児島本土からは“地理的に近い沖縄に搬送したらいいではないか」と言われたという話を聞いたことがあった。そのような現状のある中で看護職が求められている役割はなにか、そして、医療ネットワークの在り方について学びたいと考えた。地域の人々との触れ合いを通す中で、その土地の文化や価値観、健康観についても学んでいきたい。
  • 年の実習の時に離島から来ている患者さんを多く見かけ、退院後どのような生活を送っているかを知りたいと思った。退院支援をする際に、生活者としてみて働きかけを行うので、離島での生活お様子や医療について多くのことを学びたいと思う。また、医療資源が乏しい中での看護師の働き方・役割(責任観や決断力の重要性)について学ぶことができたらうれしい。そして、将来にいかしていきたい。
  • 私はいろいろな地域を訪れたり、地域に住む人々のお話を伺ったりすることが好きなのでこの実習を選択した。また、「その人らしい生き方」「生活者」と捉えることが大切であると学んできたが、どのように対象の方を捉えればよいのか、どのように関わっていけばよいのか、悩むことがあった。今回の実習を通して「住み慣れた地域で最期までその人らしい生活を支える」ということについて学んでいきたい。また、地域の特性や地域の人々の結びつきを活かした個人だけでなく地域全体の看護についても学びたい。将来、地域・在宅医療に携わりたいという思いがある。
  • 私は鹿児島出身ですが、離島にいったことがなく島の人たちの生活をあまり知ることができていない。実習のなかで、対象を生活者として捉えることをあたりまえのように言っているが、果たして自分は本当にそれができているのかと考えたとき、「その人らしさの視点」での看護があまりできていなかったと思った。この島嶼看護学実習を通して、離島での暮らしやその人、その地域に合った看護を考えることができるようになりたいと思い選択した。
  • 私は地域在宅における看護に興味があり、訪問看護師になることが目標である。一人の人を生命体としてのヒトという視点だけではなく、生活者としての人という視点で捉えることは看護の本質であると思う。そのようなことを学べる島嶼看護学実習に興味があった。私は出身が種子島で同じ離島でもそれぞれの地域の在り方は違うと思うので、他の離島での生活について知りたいと思う。
  • 私は鹿児島出身だが、島に行ったことがなく人生で一度は行ってみたいと思っていた。この機会に自分の価値観を広げるため参加したいと思い受講した。学びたいこととして、島で暮らす人々が伝統や風習、つながりをどのように生活に活かし医療ということを行っているのか実際に目で見て五感で感じたいと思った。また、自分自身健康教育を行っていることもあるため、地域を活かした健康づくりがどのように行われているのか、また、子供たちからどのような言葉が聞け、どのように感じているかなど学んでいきたいと思う。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

前の記事

学習成果発表会

次の記事

実務研修ステップⅡを終えて