お知らせ
研究「浴室内突然死(入浴死)の発生を予防するためのアラート開発」へのご協力のお願い
はじめに
本学では、医学、歯学、薬学、看護学など、予防医学及び健康科学に関するさまざまな研究を行っております。これらの研究により、病気の予防・診断・治療方法の改善や病気の原因の解明、患者の生活の質の向上を図ることは当院の使命であり、それには皆様のご協力が欠かせません。
本文書は、公正な立場に立った鹿児島大学倫理委員会で審議を受け、医学的、倫理的に適切であり、かつ研究対象者の人権が守られていることが承認された本研究について、あなたにご説明するものです。研究内容について、ご理解をいただいたうえで、参加するかどうかはあなたの自由意思で決めて下さい。参加後の撤回も自由です。
同意をいただけないからといって、あるいは同意を撤回されたからといって、あなたの不利益になるようなことは決してありません。
もしわからないことがありましたら、どんなことでも構いませんので、いつでも担当研究者に質問してください。
なお、ご要望があれば、この研究の実施計画書をご覧いただけますので担当研究者にご依頼ください。
1. 研究対象者について
18歳以上の方で、以下の条件を満たした方を対象としております。
1)鹿児島県在住の方
2)鹿児島県外在住の方(日本国内に限る)
3)アンケートにご協力いただける方
2. 研究の背景・目的・意義について
浴室内突然死(入浴死)は主に65歳以上の方に多く発生することが知られており、高齢社会を背景に年々増加傾向にあります。入浴死者数は突然死全体の10%以上に相当し、全国で年間約1万4千件(交通事故死者数の3倍以上)と報告されています。しかしその発生機序は未だ明らかになっておらず、現時点では冬季に暖かい部屋から寒い脱衣所及び浴室内、そして温かい浴槽内へと移動することで血圧が急激に乱高下することが原因ではないかと想定されています。そのため、入浴死発生の予防には個々人の努力が必要となっています。法医学分野では、一人でも多くの入浴死者数を減らすために、入浴死例のデータを解析することで入浴死が発生しやすい環境温度を特定し、毎日の気温情報から入浴死発生警報を鳴らすシステム(入浴時警戒情報)を発令しました。
本研究では、入浴死の予防を目的とし、鹿児島県に在住する県民の皆様を対象に、入浴習慣や浴室環境、入浴時警戒情報が県民の皆様にどの程度浸透しているか調査致します。この研究を行うことにより、警戒情報の精度向上が期待できます。
さらに、鹿児島県民以外の日本全土に在住する皆様を対象に、入浴時警戒情報がどの程度必要とされているのか調査致します。この調査により、他県における入浴時警戒情報発出の足掛かりとなることが期待されます。
3. 実施方法および研究協力期間について
3.1. 実施方法
アンケート調査により実施します。鹿児島県民を対象にしたアンケートは2種類あり、いずれにも年齢、性別、居住地域、普段の入浴習慣や浴室環境を記載していただきます。入浴時警戒情報が実際の入浴時間に及ぼす影響について検討するため、一週間ご回答いただける方は、「一週間毎日回答用」のアンケート用紙をご利用いただき、可能な限り毎日の入浴習慣についてご記載ください。しかし、原則として一回の回答でも構いません。一回の回答の場合は「一度きりの回答用アンケート用紙」をご使用ください。鹿児島県民以外の皆様には、入浴時警戒情報の必要性について記載していただきます。
得られたすべてのデータは、個人情報を保護するため加工して使用します。この方法は、研究の結果を公平に判断するためにもちいられる一般的な研究方法です。
3.2. ご協力をお願いする期間
11月~翌2月までアンケートを実施します。入浴時警戒情報をご覧になる前後で入浴習慣に変化がでたかをお伺いするため、ご負担にならない程度、ご回答をお願い致します。
4. 本研究に参加することによる負担と予想されるリスク及び利益について
4.1. 研究に参加することにより生じる負担
この研究に参加いただくことであなたに負担が生じることはありません。
4.2. 期待される効果
この研究に参加いただくことであなたに直接的な効果はありませんが、鹿児島県をはじめとした日本全土の皆様のために、より良い入浴死予防のための情報が得られることを期待しています。
4.3. 予想される副作用
この研究は、通常の法医業務でおこなわれている解剖記録や検案記録、そして県民の皆様から得られたデータなどをまとめる研究であるため、参加いただくことで生じる副作用はありません。
5. 研究への参加とご辞退について
この研究の参加に同意するかどうかは、あなたの自由意思で決めてください。お断りになっても不利益になるようなことは決してありません。
また、研究に参加された後でも、止めたくなった時はいつでも中止できますから、本説明文書内に記載の研究担当者にご相談くださるか、別紙の同意撤回通知書をご提出ください。その場合もあなたの不利益になるようなことは決してありません。ただし、学術発表などすでに公開された後のデータなど、あなたからの撤回の内容に従った措置を講じることが困難となる場合があります。
6. 研究にご提供頂いた試料・情報の保管及び廃棄について
6.1. 試料や情報の保管と廃棄の方法
この研究では、あなたから頂いた情報は、法医学分野の管理下で、個人が特定されないように加工します。さらに、この研究が終了するまで、鹿児島大学大学院医歯学総合研究科法医学分野で保管いたします(管理責任者:法医学分野 教授 林 敬人)。保存期間を満了後、個人を特定できない形に粉砕し廃棄いたします。
6.2. 試料やデータの二次利用について
この研究で取得したデータを他の研究に使用したり、他の研究機関で実施される研究に提供したりすることがあります。その際は、鹿児島大学倫理委員会へ研究計画書を提出し、承認された研究のみに使用/提供いたします。また、個人を直接特定できる氏名、住所等の情報は使用/提供いたしません。
この研究で得られた試料や情報を他の研究に使用/提供して良いかどうかについてアンケート上でお知らせください。
7.プライバシーの保護について
得られたデータについて、研究会や学会で報告することがありますが、プライバシーを守るために、これらの報告ではあなた個人に関する情報が外部に漏れないように慎重に配慮いたします。研究に関するデータを作成する際は、あなたの名前ではなく、まったく新しい番号を付けて管理し、そのデータだけでは誰のデータかわからないようにします。
8.費用負担について
データ収集やデータ解析に関する費用は、鹿児島大学大学院医歯学総合研究科法医学分野の研究費で負担いたしますので、この研究に参加いただくことで生じる費用負担はありません。
9.研究に参加いただいた際の研究協力費について
この研究にご参加いただいただいたお礼として、アンケートを返却いただけた場合に、300円~500円相当の粗品をお渡しいたします。ただし、返却方法が郵送もしくはオンライン回答であった場合に限り、住所を記載していただく必要があります。
10. 研究の資金源等、関係機関との関係について
この研究は、鹿児島大学大学院医歯学総合研究科法医学分野の研究費で実施します。この研究に対する企業等からの資金および労務提供はありませんので、この研究において利害の衝突は発生しません。
11. 研究に関する情報公開の方法
この研究は、鹿児島大学大学院医歯学総合研究科法医学分野のホームページに研究情報を掲載しています。
https://www3.kufm.kagoshima-u.ac.jp/legalmed/
12. 研究計画の開示について
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報の保護及び本研究の独創性の確保に支障のない範囲で、研究計画及び研究の方法に関する資料を入手又は閲覧することができます。その場合は下記の問い合わせ先にご連絡ください。
13. 研究機関および研究担当者と問い合わせ先
大学院医歯学総合研究科
〒890-8520 鹿児島市桜ヶ丘8-35-1
問い合わせ先 099-275-5313(直通)
研究責任者 法医学分野 教授 林 敬人
研究分担者 法医学分野 助教 勝山 碧
14.その他の相談窓口
鹿児島大学病院 臨床研究管理センター
連絡先 TEL;099-275-6624
15.保有する個人情報の取扱いに関する相談窓口
鹿児島大学病院 総務課 企画・広報係
連絡先 TEL;099-275-6692
この研究の内容について、ご理解いただいたうえで、本研究に参加することをお決めになりましたら、アンケートに署名し、日付の記入をお願いいたします。
なお、この研究は、公正な立場に立った鹿児島大学倫理委員会で審議を受け、医学的、倫理的に適切であり、かつ研究対象者の人権が守られていることが承認されています。また、この研究の実施について研究機関の長の許可を受けています。